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橘雅哉


座右の銘
「人間は努力している間迷うものである」(ファウスト:ゲーテ)
原文
Es irrt der Mensch, so lang' er strebt.
Faust, Der Tragödie erster Teil, Z.317

 この言葉に会ったのは高校生の時でした。入部したボート部の練習が激しく、辛く、何度もやめてしまおうかと悩み、迷ったころに出会ったゲーテの格言です。おかげで高校時代ボート部の活動を全うすることができました。今でもこの言葉には感謝し、何か目標を立て、それを目指す際にはいつも思い出すようにしています。


ひとこと

 コロナ禍が始まって以来、つくづくこの国の指導者は歴史に学んでいないのだとあらためて思っています。「科学的見地を重用せず、希望的観測から甘い目標を立て、戦力の逐次投入をしていく」、太平洋戦争での失敗と瓜二つの構造ではないでしょうか。頼みのワクチンの確保も遅れ、このままではコロナ対策必敗は免れません。なぜこうなってしまうのだろう?
 私なりに考えてみました。
 議論をつくさないからではないでしょうか。ある方向性を決めるのに、冷徹に、理性的に、かつ論理的に議論をつくした上で最後に情緒的な課題とすり合わせるといった行為を行わず、議論の途中で情緒的な感覚を盛り込み、論理的な議論をやめ、感覚の方に流されていってしまうことの繰り返しを社会全体で行ってきた結果のように思えてなりません。
 このままでは、脱炭素対策でも同様の結果になるでしょう。

 若い皆さんには、「自分の頭で考えること」、「議論をつくすこと」を望みます。

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