NOBE Laboratory
Tatsuo NOBE
Interest of today

自転車通勤


天気のよい日は、練馬区の自宅から西新宿の大学まで、自転車で通うようになった。住宅街の中を縫うように走ると、電車やクルマでは気がつかなかった街の音や匂いが感じられる。また、地形の微妙な高低や河川が町並みや線路、道路を定義づけているのが再認識される。また、普段目にする駅の周辺や表通りから見える風景以外にも、いろいろな営みがそれぞれの特徴をもって分布していることを知ることができる。そこには、存在感が衣服以上建築未満の木造シェルターが立ち並んでいる。しかし、建築を限りなく衣服の軽さ、儚さに近づけるのがこの風土における最適解なのかもしれない、などと考えながらペダルを踏むのも、また一興である。通勤に使う自転車は、瞬時に折り畳みができて、なおかつ折り畳んだままでも転がせる、という条件で国内外から選定したところ、我が国のこれ(下の画像)が唯一条件に適合した。小径車ではあるが直進性もよく、ギア比も適度で殆ど文句はない。翌日の天候が気になる毎日である。