NOBE Laboratory
My Opinion
Sustainable


Sustainableということ

昨今の悲観的な社会的、経済的、および環境的諸状況の将来予測に呼応するかのように、Sustainable(持続可能)という概念が広く提唱されている。建築分野でも「Sustainableな建築」という言い方でその意を表している。このような状況下では至極ご尤もな考え方ではあるが、どうもそれを標傍とする我々自身がSustainableではない方向に進んでいる気がしてならない。情報化が歪に進んで、システムリスクという概念が欠落しているのもその端的な例であろう。建築という等身大のアウトプットを求めるためには、人間の空間的・時間的スケール感の涵養が不可欠である。我々は現在、その「スケール感」に乏しい情報機器に依存しながら何か本質的なものを見失い、極めて表層的なものの見方をするようになってしまったのではなかろうか。Sustainableな建築をめざすためには、我々自身がSustainableにならなければならない。