環境材料学研究
1)研究テーマ
人に生涯があるように,建築物にも生涯があります(構想−設計−製造−施工−供用−解体−再資源化−廃棄など)。 そのライフステージの節目節目に「建築材料」が何らかの形で関係しているという視点に立ち,人と建築物とで築きあげら れる生涯をより豊かなものとするための具体的な技術・手法を研究テーマとして取りあげます。
□素材
・植物材料(茅,竹,ヘチマ)の物理化学的特性と建材への応用研究(製造)
□原材料
・骨材資源の輸送時環境負荷評価(製造)
・セメントの緊急時混和による品質保証技術(製造)

□建材
・コンクリートの二酸化炭素固定化の研究(製造〜解体)
・コンクリートの高温加熱による物性評価(維持)

・鉄筋コンクリート部の引抜耐力評価(維持)
・鉄筋コンクリートかぶり部の破壊靱性改善性

□外観
・壁紙のテクスチャー印象と生理特性の関係(使用)
・下地材の吸水特性の変化による外装利用研究(使用)
・内外装材の劣化による色彩劣化影響(使用)

□色彩・景観
・コンクリートの品質特性と色彩変化(維持)
・こけら葺き材の色彩劣化と耐久性の関係(維持)
・茅葺き材の色彩劣化とカビ繁殖性の評価(維持)
・建築外装仕上材の色差測定による色彩設計ガイドラインの策定研究(構想〜供用)
□ペット・子供
・ペット建材による住空間品質改善効果の検討(製造〜使用)
・子育て建材による住空間安全性の確保と改善対策(製造〜使用)
□環境全般
・カーボンフットプリントによる二酸化炭素固定化の評価(製造〜解体)
・カーボンリダクションからカーボンフリーに向けた直接・間接技術対策の適用効果(製造〜解体)

□特殊構造物
・原子力発電所等の大断面コンクリート部材の高経年化対策研究(施工〜再資源化)
・首都圏の鉄筋コンクリート造建築物の材料健全度評価(製造〜解体)
・工学院大学の旧1号館後期健全度評価に向けた実態調査(解体)
・工学院大学の新総合教育棟ビンテージコンクリートの100年物性調査(使用)

 

 

2)研究室の活動
2008年度から新設された研究室です。実験・研究活動を通じて問題意識の発掘・解決策を検討し,最終的には「建築材料の達人」 になることを目指します。ゼミ研修や野外活動では,「建材の産地・工場巡り」,「現存建築物の材料鑑定実習」などを行います。また ,他大学(首都大学東京,東京大学,名古屋大学,東京理科大学,東義大学・韓国釜山,漢陽大学・韓国ソウルなど)や民間研究機関の 精鋭達との研究交流を図り,視野を広げていきます。地球環境・社会環境の将来を見据えながら社会に役立つ研究を行いたいと考えてい る諸君を歓迎します。ともに研究室をつくりあげていきましょう!