建築学部イギリスハイブリッド留学 −イギリス建築材料 2015,2016,2017−

1.はじめに

ギリスにおける実際の建材である木材,鋼材,コンクリートなどの構造材料をはじめ,石材,煉瓦,左官材,自然素材などの内外装材料に至るまでの建築材料全般の特性を把握し,日本の建材と比較したイギリス建築材料の特徴を理解します。そして,建築物そのものがその風土や社会環境に大きく影響を受けて成り立っていることを考察します。
 続いて,建築材料に関わる規格群(国際規格ISO,ヨーロッパ規格EN,イギリス規格BS,日本工業規格JISなど)にふれ,現代建築を構築する上で必要となる各種建築材料のモジュール・性能の違いや,物性の評価方法・範囲の違いを比較し,素材レベルをはじめ,材料・部材レベル,構造体ならびに建物レベルで,どのような要求機能・性能に違いが生じるのかを考察します。
 そして後半には,イギリス建築材料ウォークを実施し,市中で様々な建築材料を観察し,当該材料の素材採掘の様子をはじめ,製造の様子や,実際の施工の状況をイメージし,日常をかたちづくる建築材料の役割を理解する。最終的に,地域の固有さが多様であり,建築材料が,建物をつくるためのありがたい存在であることが再確認します。

2.講義(イギリス建築材料)の様子

1.授業開始
NHK-BS製作の「世界ふれあい街歩き〜カンタベリー編〜」を見てからスタートします。 宿泊所の前の通りをあるいて,毎日学校に向かいますが,観察力があがり歩みが進みません。
 

 

2.テキスト
「イギリス建築材料」を使用します。各自ダウンロードしてイギリスに持参してもらいます。イギリスの地殻構造・土壌構成の話から,イギリスの建築学科で使用される「Materials for Architect & Builder」を使用します
 

 

3.岩石と石材 イギリスの土壌構成を調べたら,街に出て,材料を観察します。古生代に放散虫から生じたフリントに囲まれ,円石藻から生じたチョークに囲まれ,バナキュラー建築イギリスの建物について妄想を重ねます。
 

 

 

4.ホームセンター
イギリスのホームセンター・B&Qを調査します。世界で最大級クラスを誇るこのホームセンターは,もともとはイギリスの土地移動制限から生じた個性ある地域性の育みが関係し,DIYが育つのですが,その影響が大きい施設です。
 

 

 

5.岩石調査

ドーバー・ホワイトクリフ散策を行います。白亜紀の石灰石採掘や,海外に広がる石からオパールを採取したりと体験を重視したフィールドワークをします。

 

 

6.ウイスキーと麦 イギリスの土地の話をしたあとに,麦にについて分析をふかめます。下記は東京の麦畑。梅の咲くころに,若葉がしげり,夏を迎える前に,黄金の色で輝くようになります。
 

 

7.ウイスキーと土 麦の話しをしたあとに,泥炭とスコッチウイスキーの関係について分析をふかめます。ピートの香りかぐわしい,ウイスキーがどのようにしてできるのか,原料の麦はどうしてここでとれたのか。
 

 

8.ラストスパート 全ての15回の講義が終了した後は,皆さんの今後のがんばりに期待して,応援合戦懇親会です。これからの専門家人生としての有意義な経験となることを願っています。
 
   
9ハイブリテキスト 授業内に限り利用します。書き込み,調べ等がありますので,必ず印刷して授業に臨んでください。なお,期間限定で下記よりダウンロードができます(2018/8/31-9/15)
  2017年度ハイブリ−イギリス建築材料テキスト (問い合わせください)