千崎 大輔

卒業研究:

建築仕上材を対象とした製造・輸送時のCO2排出に伴う環境負荷評価

研究概要:

現在,温室効果ガスの削減が世界的な動きとなっている。中でも二酸化炭素(以下,CO2)排出量の影響が重視され,積極的な削減対策が実施されている1)。 建設業では建築物の省エネルギー性能の向上による消費エネルギーの削減等から,資材製造時や建設時のCO2排出量の削減が図られ,新築,解体,再利用時における建築物のライフサイクル全体における,CO2排出量の抑制に関しての取り組みが進められている2)。さらに,建築材料の低炭素社会に向けたカーボンニュートラルへの取り組みの推進が示され,建築物のライフサイクルにおける各段階で,具体的な対応が求められている3)。また,経済産業省はカーボンフットプリント制度の構築に向けて取り組みを進めており,商品及びサービスの原材料調達から廃棄,リサイクルに至るライフサイクル全体の温室効果ガス排出量をCO2排出量に換算, 算定し,日常的に購入の機会が多い日用品や食料品などの非耐久財から導入する方向で検討されている4)。しかし,建築材料に関してはその対応が遅れており,特に建築仕上材では,輸送時環境負荷量の算定が難しく,結果,排出量の指標化,評価が行われた事例は少ない。  以上を踏まえ,本研究では,図1の研究概念図の流れに従い,主要な建築仕上材の製造,輸送時に関わる実態調査の上,研究1においては,図2に示すように首都圏で実施工された鉄骨造(以下,S造)及び鉄筋コンクリート造(以下,RC造)のモデル建物に使用された20種類の建築仕上材に関して,生産工場から施工現場までの輸送時環境負荷評価を行い,躯体材の輸送時とのと比較を行う。研究2では,S造,RC造共に多用されている石膏ボードに着目し,図2に示す製造段階を含めた評価領域における環境負荷量の試算を行ない,輸送時環境負荷との比較を行う。

 

研究成果:

水沼,千崎,田村,名知,建築仕上材を対象とした製造・輸送時のCO2排出に伴う環境負荷評価,日本建築学会関東支部研究報告集,2011.3

田村,水沼,千崎,名知,建築仕上材を対象とした製造・輸送時のCO2排出に伴う環境負荷評価,日本建築仕上学会論文集,2011.10予定