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テーマ:環境配慮型打継ぎ資材を用いたコンクリートの基礎物性評価 |
研究概要: 近年,長寿命を目指した建築の設計・施工がひとつの目標となりつつあり1),建物の長期耐久性に加え,環境への配慮や,施工の合理性がより一層求められる状況となっており,従来型のラス材による打ち継ぎに加え,転用回数が多く環境配慮型といえる空気導入したチューブ型の立体的打ち継ぎ材(以下チューブ打継ぎ)などが多く使用されるようになった。そして,この打継ぎ部分の保温養生効果を同時に確保することが可能であるチューブ打継ぎの場合,従来型のラス打継ぎと異なり,打ち継ぎ界面が立体のため,打継ぎ界面の力学特性および耐久性において違いが生じる可能性がある2)-5)。 そこで本研究では,従来型のラス打継ぎ,環境配慮型といえるチューブ打継ぎおよび打継ぎを施さない試験体(標準)を作製し,力学特性および耐久性に関する違いを試験により明確にし,その結果を比較した。(図1) 1) フレッシュ性状は,N,B共にブリーディング量が 0.30cm3/cm2を下回っていた。 2) 割裂引張試験のチューブの縦置は,チューブの径が大きくなるにつれ,割裂引張強度が増し,試験体のばらつきも小さい傾向をし,チューブの横置きでは,径の違いによる大きな強度の違いは見られず,縦置に比べ強度も低く,試験体のばらつきも大きい傾向を示した。また,ラス打継ぎについては,打継ぎ界面から15mm離した試験体は,打継ぎ無しの試験体と同等の強度を示した。 3) 圧縮試験において,界面をあらかじめ設けることで、本来ひずみが卓越する箇所へのひずみが分散したことが考えられ,打継ぎをした試験体も打継ぎをしない試験体とほぼ同等な値を示すことが確認できた。チューブ打継ぎの場合、相対的な違いは無いが、Sは縦置の方が強く、Lは横置の方が強いことがわかった。 4) 曲げ強さは,打継ぎをしたものと,標準の試験体では,標準の試験体の方が,曲げ強さが5〜8割高い傾向を示した。チューブ打継ぎについて,チューブの向きによる曲げ強さの違いはあまりみられなかったが,たわみ量は縦置きの方が多い傾向を示した。 5) 促進中性化試験において,打継ぎをしない試験体の方が中性化の進行が速い傾向を示した。チューブ立体界面部は、JIS評価深さに対し、1.5から3倍の回り込みが確認できた。 環境配慮の優位性を踏まえ、使用箇所(梁・柱等)での 力学・耐久性状の影響を踏まえた適用が重要である。 |
自己アピール: 趣味…バイクいじり、ギター、スポーツ全般 研究成果; |