田島三嘉

テーマ:

災害時におけるペット共棲住環境のQOL改善を目的とした建築技術・システムに関する基礎的検討

研究概要:

日本では犬1,232万頭,猫1,002万頭,計2,234万頭(2009年現在)がペットとして飼われている1?。この数字は15歳未満の子供の1,714万人(2009年現在)を大きく上回っている。そして2011年3月11日に東日本大震災が発生し,被害が大きかった東北3県(犬)だけでも33万頭が飼われていたが未だに被害状況の把握がされていない。さらに震災発生後,住宅に残されたペットの保護が問題になっている。特に福島第一原子力発電所周辺ではペットが被ばくしている可能性があるため簡単に保護して被災地の外へ連れ出すことは困難であった。そして大きな問題とされているのは仮設住宅でのペットの同伴入居である。避難指示が出ている地域において「ペットを残して非難できない」という理由から,飼い主が自宅に残ったり,毎日避難所から立ち入り禁止区域の住宅に餌を与えに戻った。また,ペットと非難できたものの避難所では飼育が困難で泣く泣くペットを手放すという苦渋の選択もでた。仮設住宅では動物が苦手な人やアレルギーなどで一緒に生活できない人との距離が密接環境下で狭まるため,共棲に困難な状況が起こり,問題とされている。

本研究では図1の流れに従い,災害時においてのペット共生環境のQOL改善を目的し研究を行う。

1) 研究1のペット共棲住環境に関する分類から5つのパターンに分類することができ,実態調査結果もそれに準じる結果となった。

2) 災害時は平常時と比較して,X:制約のある自由度の範囲Y:制約のあるものの付与程度を分析することができた。

3)首都直下型地震発生時のペット被害想定数の推刑により,およそ3万戸のペット共棲可能仮設住宅が必要であるとわかった。さらにパターン1の「ペット共棲可能型」で使用される設備をおよそ7億円程度の材料費が必要となる。今後のペット共棲住環境の設備を推進する必要性があると考察した。

自己アピール:

趣味…旅行、スノーボード

クセ…すぐ匂いを嗅ぐこと

研究成果:

1)田島,田村ほか;日本建築学会関東支部,2012

2)田村,田島,金巻ほか;社会貢献学会 その1,2012,10

3)田島,田村ほか:社会貢献学会,その2,2012,10

4)田島,田村,金巻ほか:工学院大学UDM論文集,2012.6