針原 光成

テーマ:

構造体コンクリートの物理的耐用年数に関する品質保証技術の導入と検証

 

研究概要

コンクリート構造物の維持保全について、老朽化についての認識不足や人材、財源の不足、マニュアルの不備等による点検や耐震調査の不徹底が問題になっている。この問題に対応するためにはコンクリート構造物の品質保証技術や耐用年数を確立する必要があると考える。ここでいう品質保証とは作り手が構造体コンクリートを管理し使い手に性能とその信頼性を高める活動を保証するものであり、安全性や保全性等信頼性への配慮が求められる1)。現在行われている品質管理では、構造物の使用が開始した後の長期的な品質には対応できない。2000年には住宅の品質確保の促進等に関する法律が施行されたが、既存構造物への品質保証を含めるとそれでもまだ不十分であり、建築物の使用開始後からの品質を製造者が保証できるかが重要である。実際に、都市部や幹線交通網における鉄筋コンクリートの老朽化は社会的に大きな問題になっており、老朽化による事故も起きている。東日本大震災に伴う復興においても、建築物の品質を明確にすることは重要である。 本研究では既存構造物の品質を維持管理するためにはまず建築物の使用可能な年数、つまり物理的耐用年数を明確に示すべきである。さらに構造物に要求される性能の水準を下回らず、一定期間の保証を持続できるかという使用者の立場に立脚した考えが重視され、建築物の物理的耐用年数の根拠となるコンクリート部材の長期的な品質保証を実施するため供用前段階から(研究3)中長期の供用を想定した段階(研究1,2)において技術的調査を検討した。

 

自己アピール:

趣味…釣り,ルアー製作,バイク,水泳

 

研究成果:

1)針原光成,田村雅紀:廃棄物系起源材料を含む構造体コンクリートの物理的耐用年数に関する品質保証技術の導入と検証,総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24年度)

2)針原光成,田村雅紀:構造体コンクリートの物理的耐用年数に関する品質保証技術の導入と検証,日本建築学会関東支部研究報告集,2013.3