研究内容:
2011年3月11日にM9.0の巨大地震が発生し、壊滅的な被害をもたらした。発生した災害廃棄物は、阪神・淡路大震災の時の1.7倍の約2,490万トンに及んだ。よって早急な対応として、発生したがれきの処理方法や再利用方法などについて対策を考える必要がある。現状では、多くの廃棄物は焼却処理によって処理されているが、廃棄物の中に津波などの被害によって塩化物量が多いことや津波堆積物が混じっているため、焼却後の残渣(灰)率が50〜60%と高く、問題になっていることや、がれき等の震災廃棄物の再資源化には、廃棄物特有の問題がある。また、震災廃棄物のひとつである海洋生物殻は海水中の二酸化炭素を吸収しながら成長しているので、炭素固定性を有する材料といえ、地球温暖化問題の改善に効果的な材料として位置付けられ、また近年都市部のヒートアイランド現象が問題となっており、日本の道路の多くでは施工性に優れたアスファルト舗装が採用されているが、ほたて貝殻を混和したコンクリート舗装とすることで路面温度の低減効果が期待されている。本研究では上記を踏まえ、研究概念図を図1に示す。研究1では、震災での災害廃棄物の実態調査を行う。その後、研究2・研究3で海洋性生物殻を用いたインターロッキングブロック(以下IRBと略)の評価を実施し、汚れ度調査・赤外線反射の実験を行い、新たな付加価値向上を目指す。また研究2・研究3での使用材料、実験要因と水準・実験項目と方法を表1,2,3に示す。