大城 宜毅

テーマ:
カビ劣化が顕著なこけら葺き材の無機改質処理と色彩劣化度調査

研究概要:
日本は昔から伝統建築として様々な自然材料を使用してきたこけら葺き材もそのひとつであり、金閣寺や銀閣寺など国宝級の建築物に使用されてきた。こけら葺きは、さわらや天然杉、栗の木などを柾目に割り、敷き詰めた屋根のことである。しかし今日において、地球温暖化を始めとする環境の劇的な変化や、それに伴うこけら葺きの材料である天然木の減少、そして昔から受け継がれてきた施工方法の担い手の減少も相まり、こけら葺き屋根は衰退しつつある。近年では、こけら葺き屋根の急速劣化が目立つようになってきており、そのライフサイクルは約25年?30年であるが、およそ10年で葺き替えないとならなくなる程劣化が進んだ住宅の事例もでてきている。その直接的な原因や背景が、地球環境の変化や使用する材料の天然林、人工林の違いからくるものだとは断定はできないが、少なからず影響を及ぼしているはずである。そこで、本研究では急速劣化の進んだ屋根の現場調査を調査し、サンプルの評価からこけら葺き材の長期利用を目指した無機改質化による可能性を探っていくことを目的とする。

自己アピール:
趣味…沖縄の大地,自然の恵みを愛する男,ここに参上

研究成果:
1)大城宜毅 ,田村雅紀:カビ劣化が顕著なこけら葺き材の無機改質処理と色彩劣化度調査,総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24年度)