研究概要:
近年の日本では未利用木材の活用方法について考える必要がある。木材はエネルギー源として優れており、火力発電用のバイオマス燃料としての利用が進められている。しかし地球温暖化等の環境問題を考慮した場合、大気中の二酸化炭素量の増加は好ましいことでない。そこで別の活用法として、木材の建材利用がある。木材が吸収した二酸化炭素量を削減可能であり、環境問題解決のためにこちらの方法を推奨する必要がある。
また、現在の法律上、有機物である木材含む木質セメント系材料は構造や外装材利用に強度や耐火、防火、木材特有の膨張収縮等の理由より制限があり、幅広く使用することができない(図1参照)。これより、優れた性能を有するが十分に発揮されていない。そこで、外装材としての普及を促進するために品質を向上させて要求条件を満たす必要がある。
本研究では、研究1として木質セメント板の木材利用環境の現状調査を行い、研究2として硬化不良及び品質不安定性について、硬化促進方法として塩化物の添加、高温養生を実施することで改善可能か検討し、木材の建材原料利用の向上を目的とする。また木質セメント板特有の高性能である吸放湿性1?に注目し、超低粘度の補修材を含浸させることで、製造時のみでなく補修時に改質処理効果が得られるか実験する。
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