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研究概要: 1)既存コンクリート造の現地調査については、3件の調査より、鉄筋コンクリートの劣化はひび割れを中心にひどくなっていた。 2)工学院大学八王子校舎1号館煙突コアについては、反発度より圧縮強度を推定した結果、平均19.95N/.であった。反発度と衝撃弾性波速度比より、推定換算圧縮強度を求める式y=0.056x-12.75を導いた。試験体の中性化深さは68.92oになった。この結果を岸谷式の算出式より10850年に相当した。これは、通常の築53年の中性化深さよりも200倍進行していた。 3)実際の構造物における推定換算圧縮強度については、保存対象建築物であるため、衝撃弾性波速度比により推定 換算圧縮強度を求める式y=0.056x-12.75から圧縮強度を推定できた。平均推定換算圧縮強度は7.49N/.であった。これは建築基準法施行令第74条鉄筋コンクリート造に使用するコンクリート圧縮強度12N/.に満たしていない。この保存対象建築物は、補修、補強などの対策が必要である。工学院大学八王子校舎1号館と同様、煙突であるため中性化の進行を示唆している。 4)総括として、実強度に対する値と非破壊試験による換算圧縮強度では大きな差が出た。反発度と衝撃弾性波速度比による非破壊試験では、コンクリートの骨材、セメントなどの部分により結果の影響が及びやすい。この影響を回避するためには、コンクリートの骨材、セメントなどの部分ごとに検討し、非破壊試験による推定換算圧縮強度式の精度を向上させなければならない。非破壊試験による推定換算圧縮強度式の精度の向上は現場業務への展開につながる。
研究成果: |
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