研究概要:
近年、ガラスファサードをもつ建築を目にすることが多くなってきた。これは、ガラスの機能性と意匠性が評価されているためにここまで普及したと考えられる。
写真1にあるように、大型ガラスファサードを可能にしたDPG構法は1992年旧日本長期信用銀行本店に採用されてから現在に至るまで1)に、瞬く間に数多くのファサードやキャノピーに採用されている。また、DPG構法以外にも新たな構法の開発により内部を大きく見せるガラスの利用方法も広く普及されてきた。しかし、仕上げ材料としてのガラスの利用は未だ開口部のみに留まっている。ここに、新しいガラスの利用可能性を感じた。
現在、JIS規格の板ガラスが広く普及されている。それらは、それぞれ異なる特性をもち、用途に合わせて使い分けられている。 本研究では、仕上げ材料に板ガラスを組み合わせ、意匠性の向上を図る、「意匠化粧材」としてのガラスの新たな利用方法を提案する。
まとめ
1)ガラス材と仕上げ材の色彩特性を測定し意匠化粧材の外観評価式(V)をたてた。
2)外観評価値が小さくなるとガラス材の影響が大きくなり、外観評価値が大きくなると仕上げ材の影響が大 きくなる。
3)官能検査より、透過率の高いガラスでは観察距離が900oとやや離れていた場合、ガラス材と仕上げ材の間隔による変化の影響が小さくなる。
4)反射、吸収率の高いガラス材では、仕上げ材との間隔の影響による外観印象の変化が異なる場合がある
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