研究概要:
現在,コンクリート塊については道路の下地として高い再資源化率で再利用されている。しかし近い将来都心部においては,近い将来,路盤材の需要の低下が予想されるため、多くののコンクリート塊が取り残されることが考えられる。構造体コンクリートに用いることのできる再生骨材はMクラスとHクラスであり、再生骨材Hの認証を受けた骨材は,2009年版JASS5および2008年版JIS
A 5308において普通骨材と同等に取り扱うことができ、再生骨材Mを用いたコンクリートの認証を受けたものは、乾燥を受けない地下構造物など適用部位を限定した上で構造体コンクリートへ使用できる。
現状ではこれらの再生骨材の構造体コンクリートへの再利用は進んでいない。この理由は、再生骨材Hは加熱すりもみ方式やスクリュー磨砕方式として実用化され、加熱すりもみ方式については加熱装置が必要となり、スクリュー磨砕方式は太平洋セメントが開発したツインコーン製造システムが必要とされるため再利用化がされていない。また再生骨材Mはコンクリート塊を破砕後、すりもみ機等を用いて磨砕工程を加えれば製造できるため、既存の再資源化施設でも対応可能と考えられるが、骨材の品質が再生骨材Hよりも劣るため、適用部位が限定され、今後の需要増加が予測しにくい。
本研究は第3章として、再生骨材を用いたコンクリートは長期材齢においてどのような特性を持ち、養生の違いにより「静弾係数」「圧縮強度」「引張強度」にどのような影響を及ぼすかを検証する。さらに養生4週目の試験体を基準とし、13週・26週・52週・78週・156週の強度はどのように推移するのか検証した。第4章として、工学院大学八王子キャンパス
新総合教育棟に使用されるコンクリートの中期材齢における力学特性について検証した。
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