研究概要:
現在、高度経済成長期に建てられた建築構造物が経過年数によって、また、老朽化によって解体、改修を行う件数が増えてきている。特にコンクリートを使用している建築構造物が多く再生骨材として、再利用できることが重要になってきている。というのも、近年、スクラップ&ビルドと呼ばれていた時代から維持管理・保全が注目される時代へと変わってきており、資源を有効活用し、環境負荷低減を促すことが重要になってくる。その中でもコンクリートは使用されている骨材を再利用し、新たに再生コンクリートとして使用することで、環境負荷を低減させている。これは、実際の建築構造物を解体、改修を行った際に生じた廃棄物を処理することで得られている。しかし、コンクリート外壁には、高度経済成長期に意匠性・施工性からタイルを外壁に貼り付けられているとが、多く見受けられる。
今日、タイル付きコンクリート外壁も通常のコンクリート外壁と同じ解体方法で行っている。しかし、現代に置いて、不純物の少ない高品質の再生骨材として利用できることが求められている。また、タイルとコンクリートがらに、破損タイルが混ざることで、建築用の再生骨材として利用できなくなる可能性があるとともに、廃棄物処理費が高くなり、環境負荷低減に繋がらない損失が生じている。
以上の事から本研究では、図1に示した研究の流れを表1に示した使用材料により作成した試験体、及び旧4号館解体の際に、生じたコンクリート外壁も含め、解体前に貼付界面のみに外部圧力を与え、事前の剥離を可能にする解体事前処理方法を開発する。表2に実験要因と水準を示す。研究1でタイル付きコンクリートの解体方法、工法の調査を行い、研究2で、解体を想定した破壊、剥離評価を行う。
1)コンクリート外壁はタイルが付いたままでの解体では値段が大きく変わるのが調査によってわかった。
2)機械インピーダンスの実験結果から、剥離が起こり始めているタイルを見つけることができた。
3)コンクリート試験体による実験からどう変位しているかが分かり、加速度測定より計算で、振動数を求めることができた。振動数測定の結果、内装タイルには、少しばらつきがあるものの、振動数での差があまり生じていなかった。
4)タイルに振動を自ら起こし、振動を与えようと試みたが、モルタルまで振動によっては直接モルタルに対しても、剥離は確認できなかった。また、タイルを通して振動を与えようとした際、振動を与える面が一部に対してのみだった。
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