小林 将希(こばおう)



研究テーマ:

文化財漆喰天井の特殊アクリル樹脂による補修効果と浮きの評価

研究概要:
日本には多くの木摺り下地の漆喰天井が存在している。
しかし、その多くが老朽化により天井表面にひび割れや、漆喰層に浮きができてしまっている。したがって老朽化した漆喰天井を補修するために下地や漆喰の状態を把握する必要があるため、下地の木摺りの幅、目透かしの幅を測定し評価、漆喰の反発試験を行い漆喰の強度を測定する。本研究では補修するにあたり木摺りの目透かし部分から樹脂を注入して漆喰層にどのように広がるか模擬試験体を使用して評価し、その評価結果より樹脂注入を行う。
樹脂注入後に引張り試験を行い漆喰が下地にうまく接着しているかを測定する。木摺り下地の評価、漆喰の強度、引張り試験の結果を考慮して長野県にある片倉館の天井補修に樹脂注入による補修が使えるか検討する。

漆喰部分に注入した樹脂がどのように流れて広がるのかが分かり、樹脂注入による天井補修において最適な注入方法を示すことができ、文化財建築物の漆喰天井の補修が可能になるため、文化財を長持ちさせることが可能になる。
以下により文化財建築物の補修方法を検討する。

1)使用材料
木摺り下地模擬天井 4種類(木摺りの目透かし幅6o、12o、スサ含有率2.8%、5.6%)反発試験機バンビーノ樹脂注入に使用する樹脂(数種類)ポリ塩化ビニル、アクリル板(透明下地用)引張試験機
2)実験項目
強度試験:バンビーノを使用して反発試験を行い強度の測定をする。木摺り測定:木摺り幅、目透かしを測定して評価樹脂注入試験:木摺りの代わりに透明な下地を作り、目透かし部分から木摺りと下地の間に樹脂を注入してどのように流れるか可視化による充填度を評価。引張試験:樹脂を注入した模擬天井を引っ張り試験機を用いて引張試験を行い木摺りと下地が接着しているかを実験

現在は,文化財木ずり漆喰天井のひび割れ調査を, 山梨の実建物を用いて実験をおこない,マッピングデータを作成している。また,八王子に作成した岩手銀行を模擬したきずり天井しっくい部材を持ちいて,振動台実験により剥離したものがあるので,その召すかし幅,木刷り幅を踏まえて,マッピングを整理し,その後に,補修場所を可視化できるような透明ケース方のきずりを開発し,そこに補修実験を行っている。その結果,透明の液体でもその流れが動画で確認することができた。また,そのポリマーアクアシールをもちいて,粘性をかえながら,その変化をよみとっている。

研究成果:
1)小林将希、田村雅紀、岡健太郎、後藤 治木摺り漆喰天井における木摺り下地面への補修樹脂充填度の可視化,2017年度 日本建築学会関東支部研究報告集1,CD-ROM, 2018.3
2)小林将希、木摺り漆喰天井における木摺り下地面への補修樹脂充填度の可視化,2017年度 工学院大学卒業研究報告集1,CD-ROM, 2018.3

特技・趣味:
音楽!ライブに行ったり、フェスに行ったり、ライブにでたり、カラオケに行ったり。握手にいったり。