鈴木 悠人(ゆうさん)



研究テーマ:

窯業系サイディング廃材を利用した他産業連携ー再資源化

研究概要:
近年、新設住宅の外壁素材はモルタル仕上げに代わり、施工が容易なこと、デザインが豊富であること、耐火性・耐久性に優れることから、セメントに繊維質を加えることで薄いボードでも強度が得られる窯業系サイディングが主として使用されている。
現在では新設住宅の約8割近くで使用されており、年間に約1億u以上出荷されている。しかし、窯業系サイディングの廃材については有効な再利用方法が確立されておらず、ほとんどが廃棄処分とされている。今後リフォームや解体などで、窯業系サイディングの廃材が大量に排出されることが予想される。そこで本研究では、窯業系サイディングの廃材の再利用方法として、下地用ボードなどを用途として考える再生水和固化材料、ロックウールを用途として考えるロックウール系材料、ガラス系を用途として考えるガラス系材料としての再利用方法を考案し、資源循環や産業廃棄物削減への貢献を目的として研究を行う。

本研究により窯業系サイディングの廃材についての再利用方法が確立されれば、本来は廃棄処分するしかなかった廃材を新たな資源として再利用することができる。木造住宅の寿命が30年といわれており、リフォームや解体などでそう遠くない将来に大量に排出されるであろう窯業系サイディングの廃材の廃棄処分量を削減することが出来る。そのため、資源循環や産業廃棄物削減への貢献が期待できる。

本研究ではパルプ等を含んだ標準的な窯業系サイディングと木チップを含んだ窯業系サイディングの2種類を使用する。
1)再生水和固化材料の作製
窯業系サイディングを粉末状まで破砕したものと水を練り合わせて固形化させた試験体を作製する。作製した試験体を1000℃〜1600℃で焼成し、圧縮強度、密度、熱重量、示唆熱分析、蛍光X線分析等の品質評価を行い、下地用ボード等として要求される数値を満たすかを検証する。
2)ロックウール材料の作製
粉末状まで破砕した窯業系サイディングの粉末を1000℃〜1600℃で焼成し、研究1と同様の品質評価を行い、窯業系サイディングがロックウールとしての成分、品質基準を満たすかを検証する。
3)ガラス系材料作製
粉末状まで破砕した窯業系サイディングの粉末に炭酸ナトリウムを加えガラス系の材料の成分に近づけた状態で1000℃〜1600℃で焼成し、研究1・2と同様の品質評価を行い、窯業系サイディングがガラス系材料としての成分、品質基準を満たすかを検証する。


研究成果:

1)鈴木悠人、田村雅紀,窯業系サイディング廃材を用いた再生ガラス質系資材への水平リサイクル化2017年度 日本建築学会関東支部研究報告集1,CD-ROM, 2018.3
2)鈴木悠人、窯業系サイディング廃材を用いた再生ガラス質系資材への水平リサイクル化 2017年度 工学院大学卒業研究報告集1,CD-ROM, 2018.3

特技・趣味:
映画鑑賞が大好きです!サイディングとともに!