西澤元希(ニモ)



研究テーマ:

漆喰仕上げ壁の長期耐用に影響する不燃性と意匠性の評価

研究概要:
研究テーマ:漆喰を中心とした内装左官仕上げ壁の機能性評価

1.研究の目的
近年、日本の住宅内壁は、価格や施工性の観点から乾式化が進み、合成樹脂を使用した内壁仕様が普及している。これにより室内空気環境に関わる社会問題も生じており、その改善性が求められている。
その対策として、建物内壁における左官仕上げの需要拡大が考えられる。特に漆喰や珪藻土が脚光を浴びている。
日本では大切な財産を守るために防火・防水に優れた漆喰仕上げの土壁が伝統技術として発達し、城郭,土蔵,民家などに用いられてきた。
本研究では、様々な素材の壁材を比較し、内壁仕上げによる空間への機能性要求を定量化することで、左官材料が人・ペットの住環境に与える影響を明確にする。左官材の性能を視覚化することで、伝統技術の信頼性向上、需要拡大への貢献が期待できる。

2.研究の方法
1) 使用材料
○下地材料―石膏ボード,ラスボード。
○下塗り材料―乾燥型下塗材,薄塗り用既調合石膏プラスター,現場調合石膏プラスター,厚塗り用既調合石膏プラスター
○仕上げ材料・珪藻土建材―内装薄塗材料L系,内装薄塗材料W系・漆喰材料―粉角又漆喰,海藻糊漆喰,既調合漆喰,砂漆喰・塗装仕上げ・クロス仕上げ上記各種材料の組み合わせが左官構法の性能,機能に与える影響を明らかにする。
2) 社会調査・文献調査,ヒアリングにより左官材の基礎を学ぶ。
・アンケートによる左官材の認知度調査、住環境問題の調査。

3) 不燃性試験・ISO 5660-1に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験
4) 漆喰仕上げ壁の明光性と印象評価・漆喰仕上げは使用材料,塗り方により表面の質は変わる。表面積(凹凸)の違いによる性能評価だけでなく、デザインとしての印象評価も行う。5) 左官材によるアレルギー低減性・左官仕上げ壁によるアレルギー低減性を評価することで、住環境の改善,向上が期待できる。

研究成果:
1)西澤元希、田村雅紀、鈴木 光、金巻とも子左官材料を中心とした仕上げ壁の機能性評価その6漆喰仕上げ壁の長期耐用に影響する不燃性と意匠性の評価,2018年度 日本建築学会関東支部研究報告集,CD-ROM, 2019.3
2)西澤 元希, 2018度工学院大学ISDCプログラム選抜研究(セブン&アイ) 商業施設における伝統的内装左官仕上げ建材の活用
3)西澤元希、漆喰仕上げ壁の長期耐用に影響する不燃性と意匠性の評価,2018年度 工学院大学卒業論文報告集,CD-ROM, 2019.3

特技・趣味:
野球,テニス,お笑い番組,街歩きが好きです。