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研究概要: 組積造にアブラヤシの繊維をまぜた表面仕上げをし、耐震性をあげる。近年、アブラヤシプランテーション開発のため行われてきた森林伐採が深刻な問題となっている。環境へ配慮した持続可能なパーム油を求める声が高まり、2004年世界自然保護基金(WWF)を含む関係団体が中心となり、非営利組織「持続可能なパーム油のための円卓会議」が設立された。英名"Roundtable on Sustainable Palm Oil"の頭文字をとって「RSPO」と呼ぶ。認証彼らの活動により、違法な森林伐採を抑制することに加え、パーム油製造過程で出る産業廃棄物のリサイクルを活発に行われることと思われる。また、多くの日本企業もこの産業廃棄物に目をつけ始めており、バイオマス発電などの新たな使い道を模索し始めている。 産業廃棄物リサイクルのひとつとして、本研究ではアブラヤシの絞りカスであるEFB(empty fruit bunch:空果房)ファイバーをモルタルに補強材として混入し、建物の耐久性を高めることが目的である。アブラヤシが栽培される東南アジア地域では、急速に人口増加や自然災害などの問題がある。これからの住宅は容易に、安価に、そしてより強度のある家が求められる。現地で採れる材料からこのニーズを満たせる材料を選定した結果、アブラヤシのEFBファイバーが最も良い材料であるとした。 2.研究の方法 アブラヤシの空果房EFBファイバー、種部分の殻パームカーネルシェルPKS、20年以上経過し実を付けなくなった古木の幹…など。入手経路を模索中調理方法【繊維入りモルタル練り】砂+セメント+水+ヤシ繊維ヤシ繊維の長さ、含水率など評価方法【性能試験】スランプ、圧縮、引張、付着、耐震、(耐火?)試験など 3.社会的貢献度 アブラヤシの繊維は長く強いため、モルタルに混入すれば、引張につよくなると想定される。これを仕上げ材としてコンクリートブロック造に使用すれば、大きな面剛性が得られるのではないかと考えている。人口が増え続ける東南アジア地域では、施工しやすい、台風や地震などの災害に耐えられるつよい住宅の需要が急速に高まっている。そこで、現地で安価に容易に入手できる材料を用いた新しい仕上げ材を開発することでそのニーズに対応していく。 4.研究成果 1)Erika Futami, Masaki Tamura, STUDY ON IMPROVING RESIDENCE AND DURABILITY OF CONCRETE BLOCK CONSTRUCTION IN SOUTH EAST ASIA BY USING PALM OIL WASTE FIBER,18th international symposium on advanced technology (ISAT-18),Taiwan,2019.11 2)Erika Futami, Masaki Tamura, Toward Long Time Use of Stone-based Wall Panel in High-rise Building between Past and Future in Japan, 17th International Symposium on Advanced Technology (ISAT-17) Engineering Innovation for Sustainable Future November 13 - 15, 2018 Danang, Vietnam 3)二見絵理香、田村雅紀、東南アジア地域における組積造住宅外壁表面のアブラヤシ繊維混入モルタルによる補強効果に関する研究、2019年度 日本建築学会関東支部研究報告集,CD-ROM, 2020.3 4)二見絵理香、東南アジア地域における組積造住宅外壁表面のアブラヤシ繊維混入モルタルによる補強効果に関する研究、2019年度 工学院大学卒業論文,CD-ROM, 2020.3
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