坂井青葉(あおば)



研究テーマ:

遺産的建築物における高品位木摺漆喰天井の漆喰部力学抵抗性および剥離性状

研究概要:

地震等の外力に対する耐震性が求められる構造部材は、 要求される性能を実現するために多くの規基準が設けら れている。一方で、躯体の内外に付加される仕上げ材料 をはじめとする非構造材は、居住性や美観性、躯体の保 護等の多様な性能が要求される。非構造材として扱われ ることの多い部材は、必ずしも力学的な安全性のみが求 められる訳ではないため、地震等の外力が作用すること で、特有の使用状態が変化する場合がある。東日本大震 災の被害状況を鑑みて、地震等の外力に対する抵抗性は、 構造躯体だけでなく居住環境や美観性などを左右する内 装材料にも求められつつある。そのため、構造材及び非 構造材を包括して、建築物の耐震性能と捉える必要があ る1)。 それを踏まえた対策として、既存建築物における天井 部材では、天井材の直天井化や軽量化、新規の工法によ る施工が提案されているが2)、長期使用した建築物や文 化財建築物においては JASS 等の指針で体系化されてい ない工法で施工された非構造材があることに加えて、文 化的・歴史的観点や当時の技法の個別性から意匠や材料 の変更を含めた補修や改修が困難な可能性がある。本研 究で扱う木摺り漆喰工法が使用された建築物の個々の遺 産的価値を可能な限り維持しつつ、要求された安全性を 確保する方法などは、現在の段階でも実務に適用するに は未だ検討不足であると言え、より一層の知見の蓄積が 求められている

研究の成果

坂井青葉,岡健太郎,田村雅紀,後藤治,建築物のLCMにおける維持保全と保存的活用ストラテジー その5 木摺り漆喰天井における下地断面形状毎の漆喰付着特性,2020年度 日本建築学会関東支部研究報告集,CD-ROM, 2021.3

坂井青葉 遺産的建築物における高品位木摺漆喰天井の漆喰部力学抵抗性および剥離性状、2020年度 工学院大学卒業論文,CD-ROM, 2020.3

 

特技・趣味:
いろんな材料と向き合ってアルバイトをいっぱいして,教職もとりたい