研究概要:
2011 年に発生した東日本大震災により、東北地方を中心 に甚大な被害を及ぼした。しかし、地震の影響は、東北地方 だけでなく、都心の東京でも地震の影響を受け、その事例と
して、構造部材、非構造部材の耐火被覆も含まれる。 現在、地震力に対する安全性は、極めて稀な地震動に対し て、建物の高さの 1/100
以下の層間変位角、部材高さの 1/200 以下の許容変形により、部材内コンクリート単身の変形が 1/300 程度でひび割れが生じないように設計する基本的な考
え方があり、都心部の建築は超高層の建物が多く、PCaCW が 多く適用されている。PCaCW は、ファスナー(接合金具)でパ
ネル上下端部を固定し、わずかな面内変形を許容し、境界面 はシーリングで留っている。都心建物 A は、東日本大震災に より最大
70 p程度の最大水平変形が生じ、その影響で、鉄 骨部やファスナー部の耐火被覆にひび割れ、剥離が発生して いる。その原因は、PCaCW
とそれを留めるファスナー(接合 金具)にあり、地震が発生すると PCaCW は地震の揺れに合わ せて面内にずり変形をする。耐火被覆の中に埋まっているフ
ァスナーが同様に動いたため、耐火被覆に力が加わり、ひび 割れや剥離が発生した可能性がある。 本研究では、地震による PCaCW
のずり変位による耐火被覆 の損傷状況の把握、作用力による同変形量の想定を検討する。
研究の成果:
井戸川知生,田村雅紀、超高層ビル外壁パネルの地震時層間変位による耐火被覆材損傷量の評価,2020年度 日本建築学会関東支部研究報告集,CD-ROM,
2021.3
井戸川知生,超高層ビル外壁パネルの地震時層間変位による耐火被覆材損傷量の評価,2020年度
工学院大学卒業論文,CD-ROM, 2020.3
|