水上 沙緒理(サオリ)



研究テーマ:

環境配慮型―軽量鉄骨間仕切壁のランナー接着面加工処理によるせん断抵抗性改善

研究概要:

東日本大震災や熊本地震などの過去の地震被害報告では、 構造体の損傷ではなく、天井や間仕切り壁などの非構造体の 損傷により建物の取り壊しに至った事例も多くみられた1?。 軽量鉄骨下地間仕切り壁(以下 LGS[Light Gauge Steel]ボー ド壁とする)は、壁内面外の倒壊を防ぎ、適切な改修が行わ れることを求められている。本研究では、接着剤を用いたラ ンナー接着を行い、接合表面の性能を改善する加工処理方法 やせん断力改善の方法について検討する。ランナー接着を接 着剤で行う新たな施工方法を検討するとともに、環境に配慮 した消音改修工法や改修時の合理化により、従来の天井・床 にアンカー等で機械的に固定する際の音の問題や、打ち込み ピンに対してランナーが局所的に切断されることを防ぐこと も可能になり、より安全な工事が行えることが期待できる。

LGS ボード壁の模擬試験体を作成しせん断力試験を行い、 以下のことが分かった。 1)模擬ランナーに穴あけを行うことで、フラット形状に対 し高いせん断抵抗性を得られる。 2)穴あけの配置や個数に関しては、穴の個数が多い方がせ ん断耐力は大きくなり、千鳥配置であけることでランナ ーにかかる力が分散され、より耐力は大きくなる。 3)接着剤を厚塗にすることで、面外せん断力変位が増大し、 破壊が延性的になり、粘りのあるせん断抵抗性を示すこ とになる。 4)粉液分離型接着剤を使用して、せん断力での接着条件の 改善方法を具体的に示すことができた。本研究は 2019 年度丸高工業と工学院大学との共同研究を 発展させたものである。株式会社丸高工業の羽山建氏、渡辺 魁氏、小野良寛氏、前橋誠氏に謝意を表する。

 

研究の成果

水上沙緒理、田村雅紀,環境配慮型ー軽量鉄骨下地間仕切り壁のランナー接着面加工処理によるせん断抵抗性改善,2020年度 日本建築学会関東支部研究報告集,CD-ROM, 2021.3

水上沙緒理、環境配慮型ー軽量鉄骨下地間仕切り壁のランナー接着面加工処理によるせん断抵抗性改善,2020年度工学院大学卒業論文,CD-ROM, 2020.3

 

特技・趣味:
山梨の自然の中で,カラオケをうたい,ドライブをすること!