小山桃華(もも)



研究テーマ:

各種部位用途の木質材へのアクリルシリコン系保護仕上げにおける変状抑制技術

研究概要:

2010 年に「公共建築物等における木材の利用の促進に 関する法律」の施行が行われ、建築物においても積極的 な木材の利用が進められている。外装材への木材利用が 広まっているだけでなく、構造材としての利用にも期待 が深まっている。しかし木材は経年劣化により、退色や 変色、表面の物理変化が起き、美観性が低下する。また、 難燃・不燃木材に関して、経時的な水分の影響による白 華の発生や、難燃剤溶出がみられ耐火性の低下が起きる。 これらは、雨と紫外線による劣化を防ぐこと、そして難 燃・不燃木材表面に保護塗料を施し、外気との水分移動 を抑えることで、長期利用が可能になる保護性能を持つ と考えられる。本研究は木材に対して表面保護塗装をし、 劣化を防止することを目的とする。研究 1 としてアクリ ルシリコン系透明塗装を用いた木材の退色防止の検証 1)、 研究 2 として難燃・不燃木材にアクリルシリコン系透明 塗装を用いた際の経年劣化防止の検証 2)、研究 3 として 材料施工時に発生する木材の大きさや形状のばらつきと 塗装仕上がりとの関連性の比較、研究 4 として長期的な 木材劣化度の推定を行い、その中で木材や難燃・不燃木 材における表面保護処理による耐久性の向上技術を確認 する。図 1 に研究の流れを示す。

1) アクリルシリコン系透明塗装を木材表面に施すこと で、退色・物理的劣化の抑制に有効である。
2) 弱溶剤系下塗り材を難燃・不燃木材に施すことで外気 との水分移動を抑制できることから、白華析出が抑え られる可能性がある。

本研究は、2020 年度工学院大学私学ブランディング研 究に関係し、資材の提供を越井木材に賜り、実験及びデ ータ処理へご協力いただいた島袋省三氏、下地啓太氏、 北畠佳鈴氏に、感謝の意を表します。

研究の成果 :

山桃華、田村雅紀、内藤真弘、久保田信二、奈良利男,各種部位用途の木質材へのアクリルシリコン系保護仕上げにおける変状抑制技術,2020年度 日本建築学会関東支部研究報告集,CD-ROM, 2021.3

小山桃華、各種部位用途の木質材へのアクリルシリコン系保護仕上げにおける変状抑制技術,2020年度 工学院大学卒業論文,CD-ROM, 2020.3

 

特技・趣味:
BAでオリンピック完成させたし,現場でもいろんな可能性広げられるように したいです