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研究概要: 現在、北海道では年間約40万トンのほたてが水揚げされているが、それに伴い約11万トンの貝殻が廃棄物として発生していることが明らかになっている1)。北海道の主要な水産物で、今後も安定した生産量が見込まれるほたて貝の持つ炭素固定性に着目し、PCaコンクリート部材にほたて貝殻砂を細骨材として置換した、カーボンニュートラル建材の開発を目的として研究2)〜5)を進めている。2009年国連環境計画(UNEP)にて、浅場の海洋生態系に取り込まれた炭素が「ブルーカーボン」と命名され、海洋生態系が炭素吸収源として位置付けられており、一般的には主に藻類などの生育中の水産資源を指すが、本旨であるほたて貝殻は、固化物としてCO.を固定化しており、長期利用される部材等の建設材料として使用可能とするものである。既往の研究では、北海道南西部の内浦湾で水揚げされた養殖ほたて貝の殻を原料に、地元の製造会社が少量生産で丁寧に加工した貝殻砂(記号Hs)を使用して実験を行ってきたが、実用化に向けて本報は、低コストの貝殻砂を大規模設備で量産が可能な、北海道東部にあるもう一つの製造会社から貝殻砂(記号Hbs)を入手して、これまでと同様の実験を行い、コンクリート用の細骨材として使用できるかを検証する。 2.研究の方法 図1 に本研究で使用したほたて貝殻砂Hbs の製造フローを示す。現在北海道では、ほたて貝殻は未利用資源と定義されているため、の製造工場は水産加工場より産業廃棄物であるほたて貝殻を購入し貝殻砂の製造を行っている。今回のコンクリートでは、粒径0.6〜1.2mmの製品を使用している。しかし、図�Gのエコセパレーターは時間制で篩をかけているため、分級が不十分であり、完全に微粉末を取り除くことができないと工場視察で確認できた。図2 のa)に貝殻砂70%と石灰砕砂30%を混合した砂の粒度分布を、b)c)にほたて貝殻砂の形状を示す。ふるい分け試験の結果、0.3mm以下の砂が(以下、微粉末)12%含まれていることが分かった。本報では、微粉末を全く除かないものを、半分取り除いたものを6%、全て取り除いたものを0%と表記する。 3.想定される結論とその研究が果たす社会的貢献度 本研究により、以下の知見が得られた。 2) 貝殻砂置換率や微粉末混入率が大きいほど単位容積質量が小さくなり、空気量が大きくなる傾向がある。 3) 圧縮強度や割裂引張強度は、貝殻砂置換率が大きい調合の方が、強度上昇が緩やかになるが、最終強度は高くなると考えられる。 4) 気中養生下においては、貝殻砂の微粉末混入率が異なっても圧縮強度に大きく影響はないものと考えられる。 5) 曲げ強度についても同様に、よりも貝殻砂置換率の大きい調合の方が材齢28日強度は高い。 6) 扁平で角張った形状を持つ貝殻砂は見かけ上の空隙ができやすく、そこから二酸化炭素が入り中性化が進むため傾向があるため、貝殻砂置換率の違いで多少の差が発生するが、微粉末による影響は小さく、問題ないと言える。 7) 一般に微粉末混入率の増加で小さな空隙が大量に発生し収縮が大きくなるが、貝殻砂微粉末の有無にかかわらず、フレッシュ時の空気量が小さい貝殻砂コンクリートは、材料同士が上手くかみ合わさり小さな空隙が多く発生して、収縮が大きくなる場合があると考えられる。 8) 微粉末混入率0%のコンクリートは大きな空隙が生じて、水分を多く含み、質量変化率が大きくなり、微粉末混入率が高い調合は大きな空隙が減り、含水率が少なくなることで質量変化が小さくなると考えられる。 9) 貝殻砂置換により組織が疎になるため、貝殻砂置換率の増加で耐凍害性が低下する。また、相対動弾性係数が低下したものは、試験体の外部だけでなく内部にも劣化が生じて水が入り込み、質量が増加したと考えられる。 5.研究成果 2) Hosoda.N,Iguchi.K and etc,Development basic property evaluation of mortar for 3D printer using sea shells waste with blue carbon fixation propert, ISAT-22,2023.10 3) 井口ら,炭素固定性を有する海洋生物殻廃棄物を用いたコンクリート部材の開発 発 その6〜年度日本建築学会関東支部研究報告 4)井口,炭素固定性を有する海洋生物殻廃棄物を用いたコンクリート部材の開発
工学院大学卒業論文,CD-ROM, 2023.3 |
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