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研究概要: 維持管理をする後継者不足や良質な材料の不足に悩まされ ている茅葺屋根の対策として、全研究は生育環境や環境貢献 性の現地調査、建築材料の観点における試験として散水試験 から水分保持性の調査を行った。野原論文は、「現地調査か ら、刈り取り寸法は長く、セルロース値からCO.固定量は人 工林と比較して非常にCO.吸収率が高い。散水試験から、オ ギススキは少量の落水が持続することや含水率の高さからな 水分保持性があると判明している。」2)また、安藤氏は、「高 温多湿な気候の日本において、屋根は最も傷みやすい部分で ある。茅葺屋根の葺き替えは、傷んだ部分とその他の部分を 分けてそこだけ短い周期で行うのが一般的であり、屋根をい くつかに分割して葺き替える方法が一般的であると述べてい る。」1)そのため、葺き替え作業時には屋根を踏みながら作業 をするため強度が必要になる。 今研究では、オギススキを実際に建材として利用した時の 視点を用いて評価を茅葺屋根の長期耐用化や建材利用評価を 目的に行う。研究1,2は断面性能や曲げ強度をヨシと比較 し、葺き替え作業時の劣化の耐性を力学的に検討する。研究 3,4は実際にオギススキの屋根の建物を利用するという視 点も踏まえて、雨が降った時の屋内外の影響の違いの考察や カビや汚れが人体や生活に与える影響として、吸水率やカビ や菌の汚れの耐性を検討する。 2.研究の方法 図 1 に研究 の 流 れ、 表 1 に実験 方法と 要因 ・ 水準を示 す。 研究 1 では、協働的取組にて建設 を 検討した川崎市麻生 区五力田の敷地 を対象に 、敷地内で採取できる多摩地質帯 の地域産土 の特徴を活かし た ソイルコンクリートとして 練塀壁 への 使用可能 性を検討する。 複数箇所からサンプル を採取し、基礎物性調査 乾燥処理による質量変化・蒸発率 の調査、色彩値測定、粒度分布調査 を行った。 研究 2 、 3 では、 W/C 、 S/C の異なる組合せにより、 地 域産土を利用した セメントによるモルタル供試体を作製 して、色彩値の分析や W/C 、 S/C を決定する為の調合検討、 力学特性調査 を行った。 この際、 A 種 は、普通ポルトラン ドセメントとホワイトセメント による 色彩 値 の分析を検 討すると共に、 W/C を 50% 、 60% 、 S/C を 300% の 強度特 性を重視し た 調合で行う。 B 種 は、普通ポルトランドセメ ントを利用し、 W/C を 90% 一定、 S/C を 300% 、 500% 、 600% の調合にし、 A 種 から水量、土量を多くした 土素材 のテクスチャー を重視した 調合で力学特性の違いを調査 する。 3.想定される結論とその研究が果たす社会的貢献度 本研究により、以下の知見が得られた。 1)ヨシと比較して、断面係数、断面二次モーメントが高く強 度が高く耐久性があるが部材によるばらつきがあるため資 材の組み合わせを適切にしなければならない。 2)曲げ強度は、ヨシより最大たわみ量は2mm 大きく最大荷 重は4 倍であり、裁可時エネルギーも6 倍であった。標準 偏差のばらつきも少ないため建材利用価値が高い。葺き替 え作業時に耐える荷重やたわみが大きいため劣化が減少さ れると考える。 3)吸水試験の結果から、湿度が高い時の水の浸透する速さが オギススキはヨシより速度係数が低いため雨に対する影響 はオギススキの方が少なく雨天時の茅葺屋根材に最適であ ると考えられる。 4)ATP 試験の結果から、蓋無、蓋有共に吸水率はヨシが高い が、理論式からヨシよりオギススキは汚れる速度が高いた め劣化が早いと考えられる。茅葺き屋根の長期耐用のため にオギススキはヨシより外的要因から守る管理をしなけれ ばならない。 5.研究成果 2)相良心大、屋根葺材用植物資材オギススキの力学・含
水・ATP 変化量特性を踏まえた建材性能の評価工学院大学卒業論文,CD-ROM, 2023.3 |
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