茨城・旧茨城県立土浦中学校本館(国指定重要文化財)・

担当: 本館耐震補強工事に伴う正面玄関木摺漆喰天井レリーフ部の耐震改修・崩落防止工事
実施: 2018年改修(竣工:1904年)
体制: 文化財保存建築協会、あじま左官工芸、工学院大学後藤研・田村研(担当:M1岡崎灌涵),樹
場所: 土浦市真鍋町(現土浦第一高等学校内)
概要:
当建物は、旧制中学校での国内初の国指定重要文化財であり、ゴシック様式を基本とした意匠を有し、平面計画は左右対称の凹字型で、外壁は下見板張りの木造建築であり、洋式建築と在来工法の木造技術が融合した明治の近代建築といえる。設計者は、辰野金吾の弟子である駒杵勤治で、茨城県内に現存するものでは他に旧太田中学校講堂、水戸商業学校旧本館玄関などがある。構造体の耐震補強工事に伴い、正面玄関の木摺漆喰天井部と中央にある円形の石膏レリーフの剥落防止のために、漆喰部等の面体部のひび割れ補修に関する工学院大学の特許工法の自主利用により、玄関部の大面積にある木摺り部と端部のテーパー出隅を麻縄で連結し、フェールセーフ方式の補修を行った上で、天井部とレリーフ部を一体化した耐震補強と保存再生を実現した。
関連Web:https://ajimaart.co.jp/2019/12/16/1373/