担当: 文化財指定要素である淡黄色土塗仕上げ壁の土地分布、成分分析、保存再生配合技術の提案 | ||
実施: 2018年 |
体制: 愛媛県内子町八日市・護国町並み保存センター、工学院大学田村研(担当:M2梅本真穂) |
場所:愛媛県内子町 |
概要: 内子町は愛媛県中央部西寄りの地域にあり、江戸時代後期から明治時代にかけて木蝋の生産により栄えた町で、約600mの通りに伝統的な町家や屋敷が、当時のまま軒を連ねている。建物群の外観は、地元で採れる浅黄色の土と白漆喰で塗られた重厚な外壁を特徴とし、漆喰壁を持つ建物は地区全体の70%を超える。建物のほとんどは切妻造の2階建で、なまこ壁、懸魚、鏝絵、出格子などの多種多様な意匠を持つことから、1977年から街並み保存のための調査が開始され、町の単独事業により修理、修景を施しながら、1983年に「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受けている。地区内には伝統的建造物として認定されている建築物が 91軒あり、うち3軒は重要文化財に指定されている。本プロジェクトは、保存センターと地域の左官業関係者とともに進め、四国中央部・三波川変成帯上にある内子町で淡黄土が採取可能な地質学上の条件整理に始まり、伝建地区内の外装土壁の色彩値測定・劣化状態の評価、固有の淡黄粘土の物理的特性の分析を行った後に、将来の粘土の資源枯渇に備えるため、同等の色味を再現するための配合割合の実現と耐久性を確保するための漆喰原料の役割について評価を行った。ここで選定された配合条件に準じて施工・補修をすることで、連なる建物の景観色を乱すことなく調和を図ることが可能となり、長期耐用に資する淡黄色土塗仕上げ壁を実現する条件を具体的に提示した。 |
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