DIARY 2002年6月前半



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6月1日(土)

昨日本日と、授業、会議他で、朝から夕方までほとんど落ち着いて仕事ができる時間がない。電車の中で読んだり書いたりしている。

試合当日にインターネットでチケットを売っていたのが規則違反だというニュース。日本での試合開始時刻にまだ前日である国はたくさんあるはずだ。そういうのはどうなるんだろう。

新宿小田急HALCの大部分をつぶして新しくできたBICカメラ1F部分には、和菓子と日本茶を出す店がある。客層がずいぶん変わるかも知れない。ソフトをたくさん抱えた若者や大きなプリンタの箱をもった買い物客がたむろする、秋葉原中央通りのミスドのような状態になるのだろうか。


6月2日(日)

久々に6時間以上のまともな睡眠をとった。実のところ仕事はたまっているのだが、開き直っているというより、これ以上は頭が働かないので寝てしまった。今住んでいる部屋に帰ってきたはずなのにドアを開けると、そこは学生時代に住んでいた寮の一室のようで、中で大学院生の勉強会が行われているという夢を見た。いくつもの時間が交錯した夢だ。夢を見たのも久しぶりのような気がする。夢をはっきり覚えているのは、もっと久しぶりだ。毎日のように覚えていれば、夢日記も書けるのに。

「夢日記サイト」は、けっこう多いらしく、ここには夢日記リンク集まである。

線路に隣接するビルに「夜11時まで営業」という札。電車の中から見えるように貼ってある。しかし、それだけでは何の店のことだかよくわからなかった。ところが、今日スーパーに行って営業時間が延びていることを発見。よく利用する人ならビルを裏から見てもわかるのだろう。見てもどこだかわからない人には関係ないので、何のことだかわからなくても良いということかも知れない。ちなみにこの駅近くのスーパーは、最寄り駅より池袋(都心)よりにある。通勤通学客の目に留まる方向だ。

「絶滅したオオカミのクローンづくりに着手 豪チーム」というニュース。保存されていたタスマニアオオカミの「遺伝子断片」をPCR法で増やすことに成功したそうだ。ほんの少しの断片の無事が確認されたからといって遺伝子丸ごと1セットが無事残っているとは限らない。また仮に無事だったとしても、この細胞核を移植するための細胞はどこからとってくるのだろう。種が違う細胞に核移植して発生に成功した例はないはず。何だか、クローン技術の「夢のある」「良い利用法」を無理矢理考えたみたいだ。ついでだが、タスマニアオオカミは有袋類であって食肉目ではないので「オオカミ」と呼ぶのは間違いだろう。


6月3日(月)

タカラが一度申請した商標を取り下げざるを得なくなったというニュース。すでに幅広く商品化されており、これこれのように多様なパターンも考えられている人気のデザインを独占してしまおうというのは、ちょっと虫が良すぎるというものだ。ここで見ることができるが、ちょっとひねって申請すれば検索でも見つからなくて済んだのにと思う。ついでに最近では「ホットスポット」まで登録商標だというニュースもあった。新しくできた普通名詞や熟語を固有名詞にするのは早い者勝ちのようだ。

学内で内線電話をたくさんかける。番号に規則性があるか、部屋番号と一致していれば覚えやすくて良いのだが・・・。外線の番号の下4ケタ、内線番号、部屋番号がどれも4ケタで混乱する。

27階から23階まで歩いて降りたが、上るときはエレベータを使ってしまった。少し疲れているかも知れない。


6月4日(火)

昨日の続きのようなニュース。「ウォークマン」は普通名詞化しており商標にならないということだが、驚いたとのは何といっても"walkman"などという単語が英語圏でちゃんと流通していることだ。こんな和製英語は間違っており、裁判所がこれを普通名詞として認めることは自国の言語文化を破壊する行為である、とソニーは反論してみてはどうだろう。ちなみに、複数形はwalkmenではなくwalkmansらしい。

近所の米屋さんでは、簡単な木の棚に入ったミッキーマウスのぬいぐるみが展示してある。車も通る道に面した店先に放置されているので真っ黒になっているのが気になる。あえてどちらか選べと言われたらネズミーランドよりサンリオに肩入れしてしまう私ですら、もう少し大切に扱ってやれよと思わないではいられない。ちなみに、客が入っているのは見たことがない。店内ではなぜかミラーボールが怪しく光っている。

区長選挙の公報が郵便受けに入っていた。都知事選挙ほどの祭のような乱立ぶりはないが、現職引退ということもあって5名が立候補し、中には内容のみならず手書きの文字に力が入って読みにくいことこのうえない立候補宣言の独立系候補者もいてなかなか楽しそうだ。


6月5日(水)

O商店という名前の食品店がO氏の持ち物であることは初めて見たときからわかっていた。しかしそれだけでなく、電気屋、米屋、ガソリンスタンドまでOという名前がついていることに気づくのに時間はかからなかった。さらによく見ると賃貸である我が家の家主もOさんであり、近所にもOという表札の大きな家があるのがわかった。また、ちょっと気取った名前のパン屋さんでさえ、何度も利用した後レシートをよく見るとOの文字が記されていた。そして今日、空駐車スペースありますという看板にOの名前を見た。この調子では、駅前の土地のほとんどをO氏が所有し、駅前商店街の店のほとんどはO氏一族によって取り仕切られていることも考えられる。同姓の人が固まって住んでいるのは多摩センターの「M岸」さんで体験済みだが、れっきとした23区内の土地にもこういうところがあるとは思わなかった。この街とも、もうすぐさようならする予定。

講師室に備え付けてある授業用のノートパソコンに新しいのが入ったというのでさっそく教室にもって使おうとしたが、何とRGB端子がどこにあるのかよくわからない。ないのだろうか、そんなことはないに違いない、などと考えていると時間が過ぎていく。結局諦めて講師室に一旦引き返して、これまで使ってきた古いFMVを教室に持っていった。古くても使えればOK。

昨月が締め切りの原稿を取り立てようとして自分も同じ身の上であることに気づいた。どうしてこんなに皆忙しいのだろう。


6月6日(木)

どこでもそうだろうが、近くにマンションができることになったら、付近の賃貸住宅には案内のチラシが投げ込まれる。これまでたくさんのチラシを見てきたが、まるで湖の上に立っているかのごとき物件は非常に印象深かった。その物件のページはこちら。立地を見るともともと川沿いにあった土地のように見える。池に面したテラスがあり、たしかにリゾートマンションのような景観は美しくも見えるが、よく考えるとここは透き通った水の流れなど望みようもない東京都23区内だ。増水のときどうなるんだろうとか、子供がテラスから落ちないかとか、石神井池のように臭いを放ったり、ワニが放されたりしないかどうか不安になってしまう。

昨日のRGB端子の謎は解明された。詳しい職員に聞くと、コンピュータの側面、蓋を開けて、端子があるのを見せてくれた。隠し扉であった。なあーんだ。

風邪気味で、大学の冷房が涼しすぎるように感じられる。かと思うと、授業中非常に暑くて仕方がなくなる。ちょうど健康状態が不安になったところに先日の健康診断の結果が帰ってきた。「正常」を示す「1」という数字が並んでおり、私は検査された範囲内で、数値上は「健康」以外の何ものでもないことがわかった。しかし、健康であることが絶対的に証明されたわけではなく、しばらく重病にならないことを完全に保証しているわけでもないのだから、考えてみれば安心する根拠はそれほど大きいということはない。それでも、雇用者が被雇用者に対して義務として提供しているサービスなのだから、受診しない手はないだろう。検査のために注射器で血を抜かれたりするのも、最初は身体が固まったものだったが、慣れれば気持ち良いものだと思えるようになってきた。瀉血という「治療」法は、いくばくかの快感を伴っていたために、人々に受け入れられたのかも知れないと考えたりもする。

明日は事情により日記を更新しません。


6月8日(土)

車両の外側が全面大学の広告になっている地下鉄を名古屋で見た。すごい広告費だろうと思ったが、地下鉄車両の外側が人の目にさらされている時間はそれほどないはず。バスの外側なら通行人の目に触れるし、地下鉄も内側なら乗客に見てもらえるが、地下鉄車両の外側というのは乗る人が一瞬目にするだけではないか。塗装はたいへんだろうから、あまり効率の良い媒体ではないように思えるのだが。

5月14日の「かっこいいスキヤキ」というのは、スキヤキ弁当の「かっこいい」食べ方にこだわるお話であるが、ひつまぶしはさらに難題であることを知った。作法に従って食べようとするならば、最初から気が抜けないのである。三杯目はお茶漬けなので、ご飯を心持ち少な目にしておかなければならない。そのため、一杯目の盛り方から注意が必要だ。少なすぎると三杯目で十分に薬味とだしを含んだご飯を楽しめないことになってしまう。取り返しがつかないとはこのことだ。

ネットで調べものをしているうち日本雑草学会というページを見つけた。雑草の定義を探したが見つからなかった。手持ちの小さな国語事典でも納得いかない。「食用、園芸用その他何らかの有用な目的でヒトによって栽培されているのではない草本類」でどうだろう。


6月9日(日)

今日になってからだと思うが、ここのREMOTE_HOST欄にIPアドレスが生で並ぶようになった。このログ解析を付けるときにドメイン・ネーム・サーバ(DNS)を指定した覚えなどないので、普段参照されているDNSがストップしているということなのだろうか。よくわからない。

サッカー国際試合の日本戦がいつあるかは非常に重要な情報だ。そんな時間に街を出歩くと常軌を逸した人の群に出くわすかも知れないし、その後のテレビを観てもまともにニュース番組をやっていないかも知れないし、翌日の授業の出席率にだって影響するかも知れない。関係ないなんて言っていられない。本来どちらが勝とうが関係ないはずだが、早くこういう心配をしなくて良くなる日が来ないかと待ち望む気持ちになるのは確かだ。

現在稼働中の原発を解体するためには30兆円かかると試算されたというニュース。どんどんかかるお金が増えていくのは、何だか悪い人に騙されているみたいだね。

ブタ小間切れに片栗粉をまぶして揚げ、刻んだキュウリ、トマトを和え、茹でたそうめんに乗せ、つゆ(めんつゆに豆板醤、ゴマ油、オイスターソース等を適量加える)をかけて、本日の夕食のできあがり。そうめん二人前+αに対してめんつゆ300ccくらい。


6月10日(月)

昨日の「事故」は、やはりDNSがストップしていたためらしい。八王子サーバはメールの受信送信ができなくて大変だったと聞く。そういえば昨日BBSにもうまく書き込めなくて、同じことを3度書いてしまい、後から2つ消すことになった。今日になってBBSに書き込みがあったことを知らせるメールが3通来た。

3または2ケタの数字ばかり、ずらりと並んでいるのはちょっと気持ち悪い。乱数表か暗号文のようだ。

学生の欲しい大学と、学生を進学させたい高校とのあいだを取り持つお見合い産業がどうやらいろいろと存在するらしい。直接アタックの方が効果は高いと思うのだが・・・。大学から見ると、高校の先生が進路指導に熱心かどうか一目瞭然である。

そのうち大学卒業者の就職説明会みたいになって、有名大学は決まった日に受験生を受け付けるが、弱小大学は集団でどこかのスペースを借り切って、他の大学に行けなかった学生が巡ってくるのをつかまえて説明をして大学にひっぱっていくようになるのかも知れない。今のところ難関大学ほど後に試験をやっているのでこういう状態になっていないが、推薦入試が増えて学生の青田買いが進行するとわからないぞ。

日程の変更があった会議は出席率が低い。しかし、出席率にかかわらず、あるいはそれだけ厳選されたメンバーであるがゆえに会議は時間を超過して続く。

生物学史教科書は追い込み。


6月11日(火)

区役所の出張所へ。印鑑登録を頼むと直ちに登録証ができて印鑑証明まで取れてしまうというのは、ちょっと怖い気もする。印鑑証明が本人の確認になるというのもおかしな話だ。印鑑証明は免許証やパスポートがあれば作れてしまう。ということは、免許証やパスポートの提示を求めればすべて済むことではないのだろうか。

以前から気になっていた「廃屋」を写真に収める()。実は一時閉鎖(?)された保育園で、もう数年たったようだ。まったく手をつけた形跡がなく、建物や遊具は風化されるに任され、雑草は伸び放題である。どうやら何か工事が始まりかけているらしい。これが最後のチャンスかもと思ってしっかり記録しておくことにした。金属の酸化の速さと雑草の繁殖力に注目。

サッカーの試合のため、JR東海は深夜から未明にかけて掛川発の新幹線を走らせるという。そんな夜遅くに開始時刻を設定しなければ良いのにと思うが、試合をやっている国の人たちが生放送でサッカーを見られる時間を考えているのだろうか。

安くあげようとすれば、下りは浜松、上りは熱海で降りて、「ムーンライトながら」をつかまえると良い。しかし、貧乏な学生やら、鉄道おたくやら、家出少年少女やら、勤務地移動型労働者やら、癖のありそうな連中ばかりが乗車していると聞く(最近乗ったことがないのでよく知らないが、昔ただの「大垣行」だったときよりはずっとましになっているに違いない)この電車の場合、競技場の続きのような気分で大騒ぎするサポーターが無事で下車できるとは限らないだろう。


6月12日(水)

高校訪問とか、JABEEワーキンググループとか、親睦会の旅行とか、基礎教育に関する話し合いのこととか、図書館から送られてきた新刊案内とか、組合イベントのこととか、組換えDNA実験のこととか、いろいろ考えていると頭が痛くなる。校正中の原稿のこととか、編者になっている原稿のこととか、今週中に出す原稿のこととか、考えていても頭が痛くなる。他のことを考えなくてすむ授業中が一番うれしいかも。

頭が働いていなかったりするのがよくわかる。寝不足。疲れている。

西口の安田生命ビル前あたりで、リクルートスーツの女性が話しかけられていた。学生さんですか、何年生ですか、もう決まりましたか。続けざまにする質問がすべて白々しいものだった。見ればわかるじゃないか。何かの勧誘と見た。


6月13日(木)

在外研究中の同僚の日記発見。こちら。一度書き出したらやめることのできないウェブ日記の世界にようこそ!

K書房への入稿を済ませる。編集者M氏に渡した原稿は、ちょうどフロッピー1枚で収まった。5月1日に1500部と聞いた本は、さっそく1000部増刷したという良いニュース。「科学論」の需要は思ったよりはあるということらしい。『図書新聞』に書評ありがとうございますとも。書評をした本の編集者からお礼を言われたのは初めてだ。

Mebius2号機の調子が悪い。壊れるのが昨日じゃなくて良かった。しかしメールが書けない。正確には書けないわけではないが、大勢の人のアドレスを手入力しなければならないようなメールを書くのは非常につらい。ごめんなさい。


6月14日(金)

新しいペットの販売会社を発見した。こちら。マンション暮らしの都会の人たちもきっと鶏を飼いたいと思っているに違いないという、ペットブームやペットロボットブームに対する大きな勘違いから生まれた新とんでも「ビジネスモデル」と見た。専用のケージやおむつ(!)まで開発したあたりに気合いが入りまくりだし、不況にあえぐ田舎の産業振興を望む気持ちは人一倍強い私としては売れることを祈りたいと思う。しかし、多少小さいといっても所詮ニワトリであり、セキセイインコや他のペット系鳥類ほど愛らしさはない。卵を産むのは「家庭菜園」的だと想定しているのだろうが、ペットを飼うという本来の目的からのズレが大きすぎてさほど付加価値にはなるまい。専用セットなどに対する初期投資はかなりの金額になる。ペットショップを通さない通信販売というあたりもハードルが高い。家畜とペットの境界線を曖昧にすることに抵抗を感じる人にも難しいだろう。やはり爆発的ヒットは望めないのではなかろうか。野良鶏が増えないことを願う。

今日もまたパソコンが不調。普段とは別のパソコンを使っている。キー配置や辞書の覚えが違うと文章が書きにくい。仕事が遅い言い訳にはなるまいが。

日本中が応援しています、なんてどうして言えるのか不思議だ。少なくとも私は応援していない。反例が存在することを認めて欲しいものだ。もっと大事なニュースがあるだろうと思ってしまう。今日の4、5時間目に授業があったら、大変だったろうなと思う。


6月15日(土)

池袋の某所で自主制作版のVTRやらCDやらをながめる。VTRもレンタルだったら試しに借りてみても良いと思うが、なかなか買う気にはならない。こういうところで上映したりしたようなものもあるらしい。学生時代だったら暇に任せて見に行って、でもやっぱり面白くなくて、最悪だったなあ、まあ良いかと思ったりもした。しかし、そういうことができるような余裕が今はなくなっているということだろう。

音楽CDは、市販のCD-Rにカラープリンタで印刷したレーベルを貼り付けているものならまだしも、レーベル面にマジックでタイトル等を手書きしたものまである。携帯電話の番号が書いてあって、聴いたら直接感想を教えて欲しいとのことだ。恥ずかしげもなく不特定多数に強制的に歌声を聞かせるストリートミュージシャンに比べれば、自分から手にとってくれた人にだけに感想を求める控えめなところがちょっと好きかも。

消防車と救急車を見かける。特に人が騒いでいる様子もないのでいつもの古本屋へとビルの階段を上ろうとすると止められる。放水用の管が1Fから地下室へと向かう階段を下っている。地下の店で小火でもあったのだろうか。周りの店舗は何も変わりなく営業している「我関せず」状態が雑居ビルらしい。本当に出火したときのことを考えると恐ろしい。うずたかく古本が積まれた店など、一旦火がついたらあっという間に燃え広がるに違いない。

雨の日の学校は人が少ない。床屋は混んでいた。

まだパソコンは回復せず。



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