ドイツロマン主義の生物学

ドイツロマン主義とは何か?

  文学・哲学上の運動→諸学の統一という視点→自然科学も巻き込まれた

  文学におけるロマン主義

   シュレーゲル兄弟、ノヴァーリス、ホフマン、ジャン・パウル、ティーク

  哲学におけるロマン主義:自然哲学=シェリング、ヘーゲル

  ドイツロマン主義の生物学者は? 

   ゲーテ、キールマイヤー、トレヴィラヌス、オーケン(八杉1965)

ゲーテ(J.W.von Goethe, 1749-1832)

  色彩論が有名だが植物学でも有名

  原植物(Urpflanze)概念

キールマイヤー(C.F.Kielmeyer, 1765-1844)

  「有機的力の関係について」1793年の講演

  有機的力と非有機的力の区別で、生物と無生物の違いを説明

個体発生と生物種の体系の並行性を基礎づける力の原理

  力の分類(感覚性、被刺激性、生殖力)→分配の法則性

   cf. ブルーメンバッハの形成衝動(Bildungstrieb)概念(『形成衝動』1781)

 cf. カント『判断力批判』における目的論的判断力

トレヴィラヌス(G.R.Treviranus, 1776-1837)

  『生物学あるいは自然研究者と医師のための生きている自然の哲学』1802-

  「生物学」の定義:生命力現象についての学

  動物界と植物界の類似性:自然の三界→自然の二界

  鉱物学:物理学=自然誌:生物学=現象を記述する学:理論化・法則化する学

  物理学における基本的な力の概念→そのアナロジーで生物学にも力概念を求める

  精神と生命の違いを論じる。

オーケン(Lorenz Oken, 1779-1851)

  『自然哲学』

  類稀なる体系家

細胞説の先駆者?

  

影響と批判

  シュライデン1844「シェリングとヘーゲルの自然科学に対する関係について」

  ヨハネス・ミュラー、ヘッケル、ウィルヒョウ

生物学史上の意義

  自然誌から生物学へ

  進化論の先駆者?

  動物と植物の境界線をなくした?

<ロマン主義生物学に詳しい生物学史の古典>

Erik Nordenskiöld, The History of Biology, tr. by L.B.Eyre, 1928.

Walter Zimmermann, Die Evolurion: Die Geschichite ihrer Problem und Erkenntnisse,

八杉竜一『進化学序論−歴史と方法−』1965岩波書店

ラッセル『動物の形態学と進化』坂井建雄訳1994三省堂

川喜田愛郎『近代医学の史的基盤』1977岩波書店

  

<その他の参考文献>

アンジェロス『ドイツロマン主義』1978白水社

八杉竜一『進化学序論−歴史と方法−』1965岩波書店

ホフマン『ホフマン短編集』池内紀編訳1984岩波文庫

シェリング『ブルーノ』服部英次郎、井上庄七訳1955岩波文庫(中公世界の名著にも)

河本英夫『自然の解釈学 ゲーテ自然学再考』1984海鳴社

ゲーテ『自然と象徴−自然科学論集−』高橋義人編訳、前田富士男訳1982冨山房

James L. Larson, "Vital Forces. Regulative Pronciples or Constitutive Agents? Strategy in German Physiology 1786-1802", ISIS 70(1979) pp.235-249.

Timothy Lenoir, The Strategy of Life, Teleology and Mechanics in Nineteenth Century German Biology,1982,Dordrecht.

林真理「生命力と生命の学−ブルーメンバッハ、キールマイアー、ライル、トレヴィラヌス−」『生物学史研究』No.89(1989)pp.1-12..

S.J.グールド『フラミンゴの微笑 上』新妻昭夫訳1989早川書房(第13章がOken論)

レペニース,ヴォルフ『自然誌の終焉―18世紀と19世紀の諸科学における文化的自明概念の変遷』山村直資訳1992法政大学出版局