入学おめでとうございます。



物理学を学ぶ前に

新入生の諸君は、おおむね、受験あるいはそれに類する ものをくぐり抜けて入学して来ています。これは 今の日本の現実ではやむをえない現象ですが、このために 諸君のものを学ぶことに対する感覚が著しく歪められて きています。「物理学は暗記科目だった」、「英語が 不得意なので工学部にしました」などの声を聞くと、全く <悲惨>の一語に尽きます。

受験に対する能力の結果として、クラス分けが受験では 行われましたが、それは個人の能力の一部でしかなく、 むしろ今後の勉強にとっては邪魔になるとすら言えます。 新入生に最初に授業を行うわれわれ一般教育部の教員の 重要な仕事は、このような受験勉強という歪んだマインド コントロールに対するリハビリを行って、まともな 勉強の仕方に気付いてもらうように諸君を 助けることにあると思っています。

受験に毒されていると次のような会話になります。

「先生、この問題解けません。」
「地球が太陽のまわりを1年で回ることから
 周期を求めれば解けます。」
「だって、そのなの問題文に書いてないじゃ
 ないですか。インチキですよ。」
受験では、「必ず答のある問題を」「自分一人で」「すばやく 効率的に」解くものが勝者となりました。 しかし、現実の問題は、 など、大きく異なるものなのです。

学生の中には化学受験の方もいると思いますが、それは あまりハンデとはなりません。もちろん、それ相応の 努力は必要ですが。

一番必要なのは問題意識を持って考える ことであることです。


予習について

講義系科目の学習の流れは以下のようになります。
  1. 予習
    予告された範囲を予習し、疑問点などがあればノートに 書き留める。
  2. 講義
    講義の時間は、書写の時間ではない。黒板に書かれたことを メモするよりも、講師の話を聞きながら「考える」時間 である。予習の時に、あらましは把握しているはずなので、 事前にあった疑問点などにどのような説明がなされるかを 捕まえる。それでもわからないときは積極的に 質問をすること。
    なお、特に、この講義(物理学I,II)においては、複雑な数式を写したりする ことに余計な注意を払って、貴重な講義の時間がスポイルされる ことを防ぐために、講師が作成したテキストを 使っている。このため、板書される式はすべてテキストに 存在する。ノートに写すのは後で家でできるので、講義に おいては、考える方にエネルギーを使うこと。
  3. 復習
    ノートを整理し、まとめる。なお、予習・復習とも、教科書 だけではなく図書館を活用して他の文献などにもあたる ことが望ましい。
原則はこうですが、実際には予習をさぼって授業に望む 学生が最近多くなりました。これでは講師の話を理解する ことはできず、あきらかに授業料の 無駄使いです。

このため、この講義では強制的に予習をしてもらう 手段をとっています。授業により異なりますが、以下のどちらか を実施しています。 (学生の意識が向上し、早く、このような強制的手段=邪道、 を使わなくていもいいようになることを望みます。)

また、指定範囲に問題が含まれている場合もありますが、 予習の段階で問題を解く必要は必ずしもありません。 重要なものは講義の中で解説します。事前に問題を解いて 見るときはノートを使って下さい。

ノートによる予習
指定様式の専用ノートを1冊準備します。 単にテキストを書写してくる人がいますが、これは 予習のなんたるかを分かっていない学生ですね。 ノートは学期末(試験終了後)に一時回収し,確認後返却します。

予習用紙の提出
毎時間の開始時に予習用紙を提出してもらいます。 正規の用紙を使って下さい。 提出用紙はコピーを使っても良いですが,本物と同じサイズ 様式(両面コピーとする)でなければいけません。 手書きでノートに書いたようなものは受領しません。
授業が始まってから提出した場合は「遅延」扱いです。 担当教員が入室する前に教卓に出しておくこと。 なお,提出しても内容が悪い場合は,当然ながら,減点されます。


評価と連絡

高校のようにHRはありません。大学では掲示板 に表示されたことは、学生が承知の上であるという認識で いろいろな処理や手続きを進めます。登校したら 必ず掲示板にひととおり目を通す習慣をつけて下さい。

この講義も勿論例外ではありません。主要な連絡は掲示板 および、このホームページに掲示されます。

いまから、評価のことを気にするのもどうかと思いますが、 通知しておきます。 通常は以下のようになりますが,都合により 掲示しないときもあります。
定期試験の終了後、2,3日後に 私のホームページに、試験の講評、解説、合格者一覧、 問い合わせ方法、を掲示します。 個別の問い合わせには応じません ので、必ず、試験終了後 数日経ったら以上を自分で確認して下さい。

担当者への連絡はeメールを使いましょう。


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