講義関係のお知らせ


工学院大学共通課程物理学教室  岡村 浩



6:波(第2回)             

テキストp.55〜p.76
[準備]三角関数

cos(α+β)=cosα  cosβ  −  sinα  sinβ

cos(α−β)=cosα  cosβ  +  sinα  sinβ

∴

cos(α+β)+cos(α−β)=2cosα  cosβ

ここで

A  =α+β,B  =α−β  とおくと

A+B=2α, A−B=2β

∴

α=(A+B)/2,β=(A−B)/2                                        

∴

cosA+cosB=2cos{(A+B)/2}cos{(A−B)/2} 

ある学生曰く、

高校の数学の公式はさすがの私でもわかったらしい。
だからわからなかった人はいなかったらしく

「中学生でもわかるぜ」

という声があちこちで聞こえていた。 

私としてはそれで満足です。

   §重ね合せの原理

[準備]和の微分は微分の和

(f(x)+g(x))’=f’(x)+g’(x)

証)数学の教科書を見よ。

Φ ,Φ が波動方程式の解なら

Φ +Φ  も解

証)

仮定により

{(∂2/∂x)−(1/c)(∂/∂t)}Φ=0                                                 
{(∂2/∂x)−(1/c)(∂/∂t)}Φ=0                                                 
∴

{(∂2/∂x)−(1/c)(∂/∂t)}(Φ+Φ)=0                                        
§例1  干渉

Φ=Acos(kx−ωt)

Φ=Acos{k(x+d)−ωt}

                       

Φ+Φ=2Acos[{kx−ωt+k(x+d)−ωt}/2] 

                       

              cos[kx−ωt−{k (x+d)−ωt}/2]                

                         

        =2Acos[k{x+(d/2)}−ωt] cos(-kd/2)    

                         

 =2Acos[k{x+(d/2)}−ωt] cos(kd/2)    
      

cos(kd/2)を考える                                                  

d=0  なら  1

d=λ/2  のときkd/2=kλ/4=2π/4=π/2                                    

    cos(π/2)=0

                    よって二つの波は打ち消しあう

d=λ  のとき

    cos(kd/2)=cos  π=−1      あれ!                        

このとき

cos{k(x+d/2)−ωt}=cos(kx−ωt+π)

=−cos(kx−ωt)

ゆえに

Φ+Φ=2Acos(kx−ωt)

物理的には、重要

ヤングの実験

干渉縞

電子が波というようなことも、干渉縞が発見されたことによって言える。

§例2定常波(定在波)

standing wave

Φ=Acos(kx−ωt)

Φ=Acos(kx+ωt)

Φ+Φ=2Acos[(1/2){kx−ωt+(kx+ωt)}]
        cos[(1/2){kx−ωt−(kx+ωt)}]
     =2Acos(kx)cos(−ωt)

         =2Acos(kx)cos(ωt)

t=0,(1/8)T,(1/4)T,(3/8)T,(1/2)T
の間に
cosωt は
1,   1/√2 ,  0   ,−1/√2 , −1
と変化する。

これは右にも左にも行かずに、振動する例である。 


§例3 群速度

Φ=Acos(kx−ωt)

Φ=Acos(kx+ωt)

但しk〜k,ω〜ω

                    

Φ+Φ=2Acos[{(k +k)/2}x  − {(ω)/2}t]              



            2Acos[{(k -k)/2}x  − {(ω)/2}t]  
             

 
                                            

       =2Acos(kx−ωt)cos( 凾汲−刄ヨt )             

但し、                                          

(k+k)/2=k,           (ω+ω)/2=ω

                        



(k−k)/2=凾求C  (ω−ω)/2 =刄ヨ

ω/kが位相速度

それに対し

刄ヨ/凾汲群速度という。

媒質の中の電磁波のように、異なるkの波の連続的な重ね合わせの場合がある。

ω=ω(k)として、

dω/dkが群速度となる。

ω=ck,ω=ckなら刄ヨ/凾求≠         !


§固定端の振動(やや高級)

波動方程式

(∂/∂x) Φ(x,t)=(1/c)(∂ /∂t)Φ(x,t)                                       
を、境界条件

Φ(0,t)=Φ(0,a)=0

の下で解く。長さaの弦の振動をイメージする。

Φ(x,t)=Φ(x,t)Φ(x,t)
とおく。

代入すると、

(d/d x) Φ(x)Φ(t)
=Φ(x)Φ(t)(1/c)(d/t)Φ(t)                                
両辺を Φ(x)Φ(t)で割ると

(d/d x) Φ(x)/Φ(x)=(1/c)(d/t)Φ(t)/Φ(t)                                
左辺はxだけの関数、右辺はtだけの関数。

これが等しいことは起こり得るかというと、

共に定数という場合なら良い。この定数は正ではまずいことがわかるので、

−kとおく。

すると、

(d/d x)Φ(x)=−kΦ(x)

(d/dt)Φ(t)=−ωΦ(t)

                    (ω=ck)
これを別々に考える。

Φ(x)=Acos(kx)+Bsin(kx)

条件
Φ(0)=Φ(a)=0

が満たされなければならない。                          

まず

Φ(0)=0より、A=0

Φ(x)=Bsin(kx)

Φ(a)=より、Bsin(ka)=0

B=0だとなくなってしまうから、

sin(ka)=0

∴
ka=nπ 但し、nは整数

nとして0は除き、負はBに吸収して

ka=nπ(n=1,2,3・・・)

k=nπ/a

ω=nπc/a

n=1,2,3の場合のΦ(x)をグラフに描く。

Φ(t)=cos(ωt+δ)

境界条件のために、k(およびω)の値に制限がついた。

現代の古典物理p.199  図22−3

実はこの図は
現代の古典物理p.107  図11−2
と同じである。量子力学のシュレーディンガー方程式を解くときとに
まったく同じ計算をするのである。
量子力学:無限に深い井戸型ポテンシャル

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