医療:心臓超音波検査支援
心臓超音波検査における断面位置・姿勢のリアルタイム推定と心臓の三次元再構成
研究概要
心臓超音波検査は、エコー画像に映る心臓の断面を観察し、心機能を評価する検査である。患者への負担が少ないことから広く利用されており、高齢化に伴いその需要は高まっている。一方で、検査士には、エコー画像から患者の心臓の位置や大きさ、形状を想像しながらプローブを操作する技術が求められるため、習得には多くの経験を要する。
そこで、心臓超音波検査を支援するシステムを提案する。エコー画像に映る心臓断面の位置・姿勢をリアルタイムに推定し、それらを三次元空間上に配置することで心臓の三次元再構成を行う。さらに、再構成した心臓を検査中に提示することで、検査士の空間的な理解を支援する。
心臓断面の位置・姿勢を推定するために、プローブにステレオカメラを取り付ける。撮影した患者前胸部の映像をSLAMへ入力し、前胸部の地図を作成しながらカメラの自己位置を推定する。そして、カメラとエコー画像の相対位置から、心臓を基準としたエコー画像の位置・姿勢を推定する。本手法はエコー画像の画質や患者の姿勢変化による影響を受けにくく、安定した位置・姿勢推定が可能である。
推定した位置・姿勢を用いてエコー画像を三次元空間上に配置し、心臓の三次元再構成を行う。患者シミュレータを用いた評価では、本手法によりプローブ動作を追跡できることを確認した。一方で、プローブを回転させた際に位置推定誤差が蓄積し、再構成結果にずれが生じるという課題が見つかった。
提案手法による心臓の再構成
提案手法による再構成では、検査で観察する心臓断面のみを使用するため、再構成結果が疎になり、心臓の構造を十分に表現できないという課題がある。
そこで、今後はプローブの傾斜動作を利用した高密度な再構成手法を検討している。プローブ先端の位置を固定したまま、プローブを仰ぐ動きにより連続的に取得したエコー画像を三次元空間に配置・補完することで、より詳細な心臓構造の再構成を目指す。
プローブの傾斜動作を利用した心臓の再構成