ストロークによる違い
前項でピストン-クランク機構については理解しましたね.
しかし,あれだけではまだエンジンの知識としては不十分です.
実際のエンジンでは,燃料を燃やしてその熱膨張を利用して
ピストンを動かしています.そのためには,燃料を供給し,
燃焼の終わったガスを排気する必要があります.
実際に動いているエンジンには,大きく分けて5つの行程があります.
①吸気→②圧縮→③燃焼→④膨張→⑤排気
この一連の行程を1サイクルとしたときに,ピストンが往復する回数
(1往復→2ストロークとする)により2種類のエンジンに分類することができます.
4ストロークエンジン
4ストロークエンジンは,吸気ストローク・圧縮ストローク・ 膨張ストローク・排気ストロークの4つに分かれていて, これらで1サイクルとしています.燃焼方法として, 火花点火式と圧縮着火式に分かれます. これらは使用する燃料によって使い分けています. 2ストロークエンジンと比べて燃焼が十分に行えるため, 排ガスに含まれる未燃焼ガスの割合は少なくなります.2ストロークエンジン
2ストロークエンジンは,膨張ストロークの終わりから 圧縮ストロークの始めにかけて,シリンダ内の排気と吸気を 同時に行うこと(掃気)ができるため,1サイクルを2ストロークで 終わらせることができます.4ストロークエンジンと比べて, 同じ回転数で倍のサイクルが行えるため,出力が高くなります. また,吸気・排気バルブを取り付ける必要がないため,小型化が可能です. 現在,自動車では採用されていませんが,土木作業用などの 汎用エンジンではよく見られます.ピストン-クランク機構 ←前のページ 次のページ→ 燃料による違い
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