○ 研究テーマ
切削・研削・研磨 研究
≪冷風供給ノズルによる機械加工面の
残留応力制御及び組織制御≫
本研究では機械加工分野への新しい冷却媒体として冷風供給ノズルを用いた冷却圧縮空気の適用を検証していく。
環境保護の観点から現在油剤を使用しない加工方法・冷却媒体が求められている。そこで本研究は加工点付近に-30℃
〜
-50℃程度の低温圧縮空気を吹きかける冷風加工を提唱していく。冷風加工は、空気の熱伝導率が油剤のそれに比較して低くなるため、冷風加工では冷却効率の低下が懸念される。高圧の冷風を長い距離維持したまま加工点に供給できるノズルの開発およびそのノズル出口から出力される噴流の冷却特性評価などの熱工学的研究は高能率な冷風加工の可能性や実用化を検討する上で重要である。本研究では、冷風ノズルを用いた研削加工における研削店温度の抑制効果および工作物表面性状を明らかにする。
研究内容
・『冷風加工における加工条件と加工現象』
・『機械加工材料表面の残留応力評価に関する基礎研究』
材料力学および材料 研究T
≪電子デバイスの力学的特性評価≫
電子デバイスの多様化する材料試験を簡便な超微小押込み硬さ試験での代替評価の可能性を明らかにするため一般的な材料試験との相互比較を検討。
電子デバイスを構成する材料にははんだ合金がある。はんだ材料は低耐力材料であるため、はんだ材料試験片寸法によっては、弾性域における応力・ひずみ挙動を適切に評価できない可能性がある。特に電子デバイスに用いられる材料は、微小な寸法であるためJISで定められた標準試験片から得られた強度特性が適用できない可能性がある。また電子デバイス電源のON/OFFに伴う温度変化によって接合部に熱応力が発生し、接合部はんだ材料に影響を及ぼす可能性がある。
そこで本研究は小型のはんだ試験片を用いた弾性特性、塑性特性、クリープ特性を明らかにする。また、はんだ接合部の信頼性技術の高度化を図る上で重要となるはんだ疲労特性評価も併せて行う。
研究内容
・『はんだ合金の疲労特性に関する基礎検討』
・『はんだ合金の力学的特性評価』
接着・接合の力学 研究
≪異種材料接合界面の力学≫
異種材料接合界面端に発生する残留応力の低減方法を、形状変化や中間層、温度条件、負荷荷重など手法をもって検証していきます。
高機能構造用材料としてセラミックス材料が期待されており、セラミックス材料の適用範囲拡大としてセラミックス-金属接合体が試みられている。しかし、接合界面端部に発生する熱応力や引張残留応力は接合体強度の低下要因であり、高強度を有する接合体を製作するためには接合界面端における残留応力を緩和させることが重要である。
そこで本研究では、残留応力緩和方法として接合界面および界面端の形状変化、また中間層を持ちいた二段階接合による残留応力低減効果の影響を検証していく。
研究内容
・『二段階接合法による異種材料接合界面端部の残留応力低減』
・『異種材料接合体における界面形状操作による残留応力の低減』
材料力学および材料 研究U
≪単結晶シリコンの力学的特性評価≫
単結晶シリコンを材料とした微小構造体の作製を行うため、圧子圧入試験及び引掻試験により実用強度を明らかにし、最適設計の検討を行っています。
単結晶シリコンは半導体プロセスが適用でき、LSIやVLSIなどの基盤として用いられていたが、マイクロサイズオーダの機械要素や機械に半導体プロセスを適用する試みが国内外の研究機関で行われるようになった。単結晶シリコンのインゴットから採取した試料に関しての破壊靭性値に関する研究は以前にも行われているが、一般には単結晶シリコンウエハ主要面における圧子を導入した時の破壊の様子は未だに明らかにされていない。本研究では、単結晶シリコンの機械的性質である結晶方位異方性およびへき開面の影響を考慮した破壊靭性値を、比較的簡便な方法である圧子圧入法法により評価を行う。
また、上記研究とあわせて引掻き試験を用いて垂直荷重と引掻き抵抗力との関係を明らかにする。それにより、単結晶シリコン主要面における引掻き痕形状および損傷との対応関係が明らかになり、表面損傷メカニズムを解明していく。
研究内容
・『単結晶シリコンの破壊靱性評価』
・『単結晶シリコンの高温破壊靱性評価』
・『単結晶シリコンの表面強度評価』
放電加工特性 研究
≪セラミックの表面性状と力学的特性評価≫
新素材である導電性セラミックを対象とし、金型などに実用化する上での基盤技術となる導電性セラミックの加工特性、加工面品質と強度におよぼす放電加工条件の影響を明らかにします。
導電性セラミックスは放電加工が適用できることから、自由な形状に加工できるなど構造材料に適用する上で非常に優位な点を有しているが、その加工条件に対応した品質が明らかにされていないのが現状である。そのため本研究は、導電性セラミックスの金型材料の可能性を明確にするため、導電性粒子を分散させたジルコニアセラミックスの放電加工特性を明らかにする。 これらの結果から、導電性ジルコニアの放電加工プロセスで生じる現象を適切に制御し、セラミックス加工面の高度化を実現する。
研究内容
・『導電性ジルコニアのワイヤ放電加工特性』
・『導電性セラミックの引張強度評価に関する基礎検討』