PID自動調整法
PID調整ソフトウェア
本研究室では、汎用タイプの制御コントローラのPID調整と実装を行うソフトウェアを開発しました。
PID調整と実装のソフトウェア いままでに、PID調整は実機試験を繰り返して行ってきました。しかし、大きな装置の場合には1回の調整試験に1日以上かかるものもあり、PID調整に必要なコストと時間は膨大です。
本ソフトウェアは、産業用コントローラとケーブルで接続し、汎用コントローラに搭載されているオートチューニングの1試験データを取り組むだけで、自動的に制御対象の数学モデルをコンピュータ内に構築して、最適なPIDパラメータを求めます。また、ソフトウェアは装置の起動時間や外乱の抑制性能などのシミュレーションが行えるほか、機械自身の最適な運転調整ができます。最終的に決定した運転用パラメータは、ボタンひとつで実機へ送信ができ、稼動実験を引き続き行うことができます。そのほかにも、操業時のモニタリングなどの解析機能が利用できます。このように、我々のソフトウェアは、いままでに勘と経験に頼ってきた調整を支援するほか、最適な機械の運転、人や材料の最適配置などのマネージメントに利用することができます。
Windows環境のほか、組み込みOS上で動作するシミュレータも開発しています。
オートチューニングPIDとセルフチューニングPID
産業用PIDコントローラには、オートチューニングとセルフチューニングの2つの機能が一般に実装されています。これらの機能は、自動的にPIDパラメータを調整する役割をもっています。産業界において、オートチューニングは一度制御を止めてチューニングのみを行う機能のことを言います。セルフチューニングは、チューニングを行うと同時に制御を行う機能のことを言います。チューニング精度から、オートチューニングを利用するユーザーが多いのが一般的です。オートチューニングは、リレー振動を利用した方法ですが一般の限界感度法とは異なります。限界感度法は安定と不安定の間の臨界条件を利用しますが、温度制御を例にすると、不安定点の近くで温度を振らせると大きなオーバーシュートやアンダーシュートが生じて、過加熱で装置を壊したり、機械内部の材料を燃やしてしまうなどの事故の原因となります。したがって、一般理論のリレー振動法や限界感度法とは異なる方法が提案されます。セルフチューニングにおいては、調整と制御が同時に実行できるメリットはあるものの、雑音や外乱に乱される系や非線形性が強い系の場合には、チューニング精度が極端に悪くなります。我々の研究室では、自動PID調整法をオートチューニングとセルフチューニングに分けて提案しています。
Network Framework
産業機械のPID実装支援ソフトウェア
雑音と外乱環境におけるPIDセルフチューニング
いままでのセルフチューニングは、同定データが雑音と外乱に乱されるとき、精度が著しく低下していました。提案法は、工場などの雑音や外乱に乱された過酷な環境化でも、産業機械の調整が全自動化できます。これにより、非専門のユーザーが産業用デジタルコントローラを専門の知識を必要とせずに容易に扱うことができます。
外乱や雑音に乱された場合、正しい系のゲインはどのような手段でも推定不可能です。一般には、はじめに同定信号に対してフィルタリングを行い、その切り落とした情報からフィードバックループを設計するため、繰り返しの作業が必要になります。また非線形最小二乗法を適用した場合も、ゲインを一定にして時定数を変化させる繰り返しの計算が必要になります。
一方、本提案では、いままでのフィルタリングや非線形最小二乗法などの繰り返し計算は必要ありません。ラゲール級数の直交性を利用して、ラゲール級数の時間ファクタを熱モデルと関連させることによって解決を図りました。時間領域と周波数領域におけるモデルバリデーションを含み、最適な時間ファクタを同定します。また、推定モデルは雑音を含んだモデルであり、ゲインを用意に調整できる工夫をしています。
本提案法により、調整に対する人的負荷が削減できます.提案法は複雑な演算を用いておらず,比較的低コストの従来型のマイクロプロセッサへの搭載を可能としました.各種産業機械,業務用調理器など,幅広い応用製品に搭載することができます.



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