濱根研 single controller

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自動制御研究室(濱根研)

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更新日 2007-10-08 | 作成日 2007-09-15

1チャンネル制御コントローラ

教科書に載っているPIDコントローラは産業機械に実装されない

本研究室は、制御理論のみでなく、コントローラのハードウェアとソフトウェア、周辺インターフェースの全体に渡る提案を行っています。PID制御は簡単と思われている方も多いのですが、教科書に掲載されているPID制御と産業用PIDは大きく異なり、産業用には多くのノウハウが詰まっています。PID制御は、制御工学の代表的な制御手法です。controller1.JPGFLASH version の開発環境用コントローラところが、産業用PID制御は、特殊な比例帯や各種フィルタ、またPIDアルゴリズム自身も複雑なソースファイルの書き方をします。さらには、コントローラ自身のハード設計、電力位相制御などのパワーエレクトロニクスによる駆動部、AD変換部や測定データのフィルタリング、コントローラ内部の表示部や外部からのオペレータの操作に関わるマルチサンプリングなど、PID制御の性能に密接に関わる要素群からなります。したがって、ユーザーの問題を解決するためには、PID制御自身の改良も大切ですが、制御理論自身の改良よりも、たとえば装置の駆動部のFETなどのドロップ電圧などの装置特性を見つけ出して装置自身を改良したほうが、解決にかかる時間が少ないケースも多々あります。本研究室では、マーケットインの考え方で、ユーザーの事例を取り入れて、それぞれの機械の性能を引き出すトータルな提案をしています。

ttm200[1].jpg東邦電子 新型コントローラ (見やすいディスプレイ、制御性能の向上、便利な機能の追加)

「温度」・「流量」・「圧力」・「モータ」、機械ごとに、PID運転領域は特有な性質をもつ。コントローラにも種類がある。

汎用タイプの産業用PIDコントローラは、「温度」・「流量」・「圧力」・「モータ」に使用されます。また、「温度制御」に限定しても、さまざまな機械があり、機械によって異なる運転領域を持ちます。といっても、コントローラ自身にも、ローエンド版からハイエンド版まで、さまざまなコントローラが販売されています。コントローラによって、制御周期は異なり、また、MPUのメモリ容量も異なります。機械に組み込む場合、最終的なその機械の販売価格などにも限定されます。本研究室では、それぞれの機械のビジネスソーリューションにおける「コスト VS. 制御性能」や「装置の規格」を考慮して、高有用なハードウェアおよびPID制御ソフトウェアに関する提案をします。

ユーザーが求めるのは、ボタン1つのワンパラメータ調整

産業用コントローラに組み込む制御アルゴリズムは、複雑なものだと製品化されません。ユーザーが行える調整は、ボタン1つです。制御系の調整パラメータはPIDパラメータの3つと、付け加えてもう1つぐらいです。最終的に、提案する制御方法を、ワンパラメータにすることは非常に難しい作業となります。先端的な制御理論を積極的に導入して、機械ごとに適したワンパラメータ応用をするように心がけています。

製品化例:可変目標値PID制御

半田ゴテや包装機械の温度制御、位置決め制御などに

いままでと同様なPIDパラメータの調整のみで新しい調整をすることなく、いままで一定値であった目標値を自動的に可変させて、オーバーシュートや作業中の外乱を抑制する方法を提案しました。提案法の特長は、いままでのPIDフィードバックループを全く変更せずにそのまま残している点にあります。目標値部のみが変化するので、いままでのPIDパラメータを変更し直したり、難しい調整は必要ありません。また、アルゴリズムの実装メモリ容量が少なく、ローエンド版のコントローラに追加機能として実装できます。提案法は、半田ゴテや包装機械などの実機に搭載されて利用されています。

たとえば、半田ゴテの場合、従来のPIDは、図1のように大きなオーバーシュートを発生して、外乱に対する応答は遅いです。一方、提案法は、図2のようにオーバーシュートがなく、外乱に対する応答も早く目標値に整定しています。

mokuhyou.bmp可変目標値制御(提案法)pid_normal.JPGFig.1 従来のPID制御の応答(クリックすると拡大します)可変目標値.JPGFig.2 提案法 オーバーシュートと外乱の影響が改善されている。(クリックすると拡大します)