Micro_System Lab




研究背景

 MEMS(MicroElectroMechanicalSystem)の分野においては,表面張力による吸着,摩擦などが問題となっている.
しかし,この表面張力を積極的に利用することで,摩擦や摩耗の低減や物体支持を行うことができるのではないかという考え方が生まれた.
本研究では,液滴の耐荷重性と潤滑を利用した微小物体搬送装置などの研究を行っている.

EWODによる液滴輸送の原理







EWOD (Electro Wetting On Dielectric)を利用した液滴輸送原理の概念図を右図に示す.絶縁層に挟まれた二つの電極を製作し,その上に撥水性の膜を形成する.その二つの電極に電圧をかけると電位の高い側の電極で撥水性が低くなり液滴の接触角が変化する.このときに発生する接触角の差によって液滴が移動する.

メニスカス 力 (Meniscus Force)

凸型メニスカス

撥水面上に置かれた液滴は凸型メニスカスと呼ばれる湾曲形状を形成することで斥力が生まれる.右図のような凸型メニスカスが持つ斥力を利用することにより摩擦や摩耗を低減でき,液滴に耐荷重性が得られる.

研究動画


マイクロモータ


物体搬送
 

液滴分離
 

斜面輸送




撥水面下の電極を円形状に配置して,液滴が回転運動を行うことにより搬送物体を回すことに成功した.








搬送台と搬送電極の表面を撥水加工し,液滴に斥力を発生させたことで耐荷重性が生まれ,物体の搬送に成功した.








撥水面下の電極を制御して液滴を両端に引っ張ることにより,一つの液滴を分離することに成功した.











輸送する液滴量と電極形状を変更したことにより斜面輸送,垂直輸送に成功した.