私は確かにそこにいた

我々は、薄汚れた白衣を身に纏いピンセット1本という心もとない装備を携えてこの過酷な研究というサバイバルを生き抜き
かつて今までいかなる先達たちも実現し得なかった地上の楽園をあの永遠のシャングリラを実現するだろう。

ああ、選ばれし者の恍惚と不安、共に我にあり。人類の未来が
ひとえに我々の双肩にかかってあることを認識するとき、
めまいにも似た感動を禁じ得ない。


裕太著 無機研前史第1巻 終末を越えて 序説第3章より抜粋






















                   *参考文献 うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー





無機研での旅が終わる
振り返れば遠ざかる電解の地獄
同期よさらば
薄れゆく意識の底に、仁王立つ数々の修羅像
耳に残る叫喚、目に焼きつく炎
次の旅が始まる
旅と呼ぶには余りに厳しく、余りに哀しい
過去に向かってのオデッセイ。
次回「焼成」
卒業生たちは次の巡礼地に向かう。


裕士