<挨拶>
 稲葉 敦
 人間の活動が、その生存の基盤となっている環境に大きな影響を与え、将来の世代にまで負荷を残すことが懸念されています。 21世紀において人類が地球の一員として生存してゆくために、これまで以上に地球が有限であることを認識し、さまざまな制約の もとで人間が活動することが求められ、それを支える技術開発が必要とされています。 人間の活動は、お互いに関係し合い、システマティックに動いています。自らの活動のみならず、自らの活動を支える、 また自らの活動が関与する他の活動を見渡し、人間活動全体での位置づけを知ることが重要になります。

 研究室では、人間の活動全体をシステムとして捉え、環境負荷の少ない社会へ導くための研究を実施します。 工業製品やサービスを対象として関係する活動の連鎖を「ゆりかごから墓場まで」考え、環境への影響を評価する手法が ライフサイクルアセスメント(LCA)です。関係する活動の「連鎖」をシステムとして捉えるライフサイクル思考がその基礎に なっています。ISOとして発行されたLCAは環境側面を評価する技法ですが、研究室では環境側面のみならず、経済的・社会的側面 をライフサイクル思考で考慮する多様な実践的手法開発にチャレンジして行きたいと考えます。

 研究室では「木を見て森を見ず」にならないように、環境の視点を持ち全体を捉える研究を大事にしてゆきたいと考えて います。今後もより一層のご協力を頂けますようお願い申し上げます。


稲葉敦プロフィール