人間科学・福祉情報科学研究室

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視覚認知のページ

百聞は一見にしかずと言われることからわかるように、私たちは目を開けば、正しくものが見えていると思っています。 実は、ものが正しく見えるには様々な機能が適切に働いていることが前提になっています。子どもたちのなかに、 ものを上手に見ていない子どもたちがいます。見たいものをしっかり注視できなかったり、追視が上手にできなかったら(眼球運動不良)、ちゃんと見ることはできません。 また、両目の視線が揃わなかったり、両目で見たものが一つにならない(両眼視機能不良)ときも問題です。 もちろん、近視、遠視、乱視(屈折異常)の為に像がぼやけていたら正確にものを見ることはできません。(ダイナミックビジョンのチェックリストへ)

育視舎視覚発達センターを受診した子供達の中に、日常視力が良くない子ども達や、 眼球運動が上手に出来ない子ども達がたくさんいました。(症状のチェックリストへ) このような問題は眼科を受診し解決(治療)できる問題は、解決しておくことが大切です。 視機能の問題が無く(解決し)ても、視知覚や視覚認知機能に問題があるために正しくものが認識できていないこともあります。 人は、適切な視覚経験を通じて上手にものを見ることができるようになるのです。視覚認知に弱さがあると,つぎのような苦手さが見られます。

  • 対象の部分のみを見て、全体をうまく把握できない
  • 物体認識が苦手(図形問題が苦手)傾いた三角形、菱形など
  • 似たような漢字の区別ができない
  • 覚えた文字の想起できない。または時間がかかる
  • 文字の読み間違いが多い
  • 人の顔を覚えるのが苦手
  • 文字の模写が出来ない、 写し絵が苦手
  • 鏡文字をかく
  • 書いた文字のバランスが悪い
  • 数的概念・量的概念の理解が難しい

詳しくは視覚認知チェックリスト

我が国でも、視知覚認知の障害が学習困難の一因になっていることは、徐々に知られるようになってきています。視覚認知機能の発達していない子ども達に、図形や漢字の学習の際、単に繰り返し書き写し練習を強いても有効でないのです。それどころか、苦痛から学習そのものを嫌うようになってしまい逆効果になりかねません。適切な支援を行うにあたっては、対象児の視知覚・視覚認知を評価し、それぞれの児に必要なプログラムを考えることが大切です。しかし、視知覚・視覚認知機能についての評価や支援を行っている施設は、まだまだ少なくのが現状です。今回、幅広く、多くの教育現場で利用できるようパソコン上で行うツールである視覚認知発達スクリーニング検査ソフト( Screening Test for Visual Perception skills : STVP V.1.0.0.26)が構築されました。STVPを利用することで子ども達の視知覚・認知機能についての評価を行うことが出来ます。今回のバージョンには、眼球運動や眼手の協応を評価する項目は含まれていませんが、ハードウェアにiPadなどが利用出来る事も含め今後のバージョンアップに搭載されることが予定されています。  今後、利用者から寄せられた意見を反映しより良いプログラムへ改良を行うこと。蓄積されたデータからage normを確立すること、STVPの検査結果からどのような支援方法が推奨されるかなどについて検討していきたいと考えています。多くの方々に利用していただき、アドバイスをいただきながら、新しい時代の視覚認知発達検査としてSTVPを大きく育てていきたいと思います。

            かわばた眼科 医学博士 川端 秀仁



視覚認知発達スクリーニング検査ツール - Screening Test for Visual Perception skills (STVP)

視覚認知発達スクリーニング検査ツール(以下、STVP)とは,視覚認知発達検査をWindows パソコン上で行うためのツールです.

STVPに関するページ

STVPと視覚認知に関する論文

  • 2011年度
    • 五十嵐敦志,簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二, "STVPによる集団形式の視覚認知発達検査方法に関する検討",ヒューマンインターフェース学会第79回研究会,October 2011.
    • 五十嵐敦志,簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二, "Paper版STVPによる通常学級の児童と視覚認知に弱さを持つ児童との比較検討", HCGシンポジウム論文集,December 2011.
  • 2010年度
    • 吉野祥,五十嵐敦志,簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二, "STVPによる視覚認知の弱さを主訴とする児童の検査結果の分析",HCGシンポジウム論文集 2010, December 2010.
    • 上野貴広,簗田明教,川端 秀仁,長嶋祐二,"視機能検査に用いる重心動揺計測システムの開発",第9回情報科学技術フォーラム講演論文集,FIT2010,September 2010.
  • 2009年度
    • 吉野祥,佐藤勇輔,簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二, “視覚認知発達スクリーニング検査ツール(STVP)のシステム構築”, HCGシンポジウム論文集 2009, December 2009.
    • 簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二,"読み書きに苦手さをもつ児童の視機能および知能検査について",HCGシンポジウム論文集 2009, December 2009.
    • 佐藤勇輔,瀧尾康一,簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二, “視覚認知発達検査スクリーニングシステムの実用性の検証”, ヒューマンインタフェース学会研究報告集 11(2), 209-214,May 2009.
  • 2008年度
    • 瀧尾康一,佐藤勇輔,長嶋祐二,川端秀仁, “視知覚検査用アプリケーションフレームワークの構築”, 電子情報通信学会技術研究報告書 108(488), WIT2008-75,37-42, March 2009.
    • 山口翔大,簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二,"視覚認知障害児の電子カルテシステムからの統計解析",電子情報通信学会技術研究報告 108(488),WIT2008-76, 43-48,September 2008.
    • 佐藤勇輔,簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二, “発達障害児の視機能検査のスクリーニング結果の分析”,ヒューマンインタフェースシンポジウム論文集 2008, no.1112, September 2008.
  • 2007年度
    • 佐藤勇輔,簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二, “発達障害児の視機能検査のためのスクリーニング手法の構築”,電子情報通信学会技術報告書 107(553), HIP2007-172, 79-84, March 2008.
  • 2006年度
    • 石井 仁,飯塚慎司,簗田明教,川端秀仁,長嶋祐二,“軽度発達障害児における形態模写過程の基礎的解析”電子情報通信学会技術研究報告書, WIT2006 106(612),37-42,September 2007.

ページ内更新履歴

  • 2012-01-09: 視覚認知のページ更新
  • 2011-12-17: Paper版STVP_Package公開
  • 2011-01-24: 視覚認知のページを一般公開
  • 2009-09-12: 本ページのデザインを変更
  • 2009-08-26: STVP バージョン1.00の配布を終了
  • 2009-08-01: STVP Q&Aの項目を追加
  • 2009-07-26: 視覚認知のページ(本ページ)を作成