ユーザ満足度向上のための推薦理由透明性の影響評価
関根 裕太郎,北山 大輔
第8回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM Forum 2016),B3-4,福岡県,2016年3月,査読無
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概要
近年,インターネットコンテンツの発展,日常化により,ユーザにとって有益となるコンテンツの推薦技術が注目を集めている.しかし,表示コンテンツと推薦コンテンツの関係性が不鮮明である場合も多い.この場合ユーザは,「なぜ推薦されたのか」が不明瞭のままである.また,推薦アルゴリズムは複雑になってきており,精度が高い推薦でもユーザに受け入れられるとは限らない.本稿では,推薦対象に対しての推薦理由の明示化がユーザの満足度上昇に影響を与えるかの評価を行う.ここでは動画共有サイトYouTubeからのデータを取得して,他ユーザの再生リストを用いた推薦(協調フィルタリング),同系統の動画の推薦(コンテンツベースド推薦),評価・人気に基づく推薦,およびそれらの統合による推薦の,計4種類の推薦システムの実装を行う.3つはシンプルでユーザに理解されやすいアルゴリズムとして,統合システムは複雑であり,ユーザには理解されにくいアルゴリズムとして用いる.また,これらは推薦理由を生成し,ユーザに提示可能とする.シンプルなアルゴリズムを持つ推薦手法と,複雑なアルゴリズムを持つ推薦手法,およびそれぞれの推薦結果に付加された推薦理由の明示の有無のパターンを組み合わせた計4種類のパターンを別々の被験者に利用してもらい,満足度評価の計測を行うことで推薦システムの複雑性と透明度に関してのユーザ満足度との関係を明らかにする.