新潟三条地域工具メーカー連携プロジェクト

 私たち工学院レーシングチームは、2009年より新潟県の三条地域で製造された工具をピット工具として使用しています。これらは、三条地域の企業の皆様よりご提供頂いたものです。
 ピット工具というと、1社の総合工具メーカーの工具を採用するのが通常で、レースの世界においてはそれが常識として根付いています。しかし当チームは、その常識を覆したいと、各社の得意とする工具をそれぞれ使用しています。日本では古来より、地場産業として類似した企業の集まっている地域が数多く存在し、企業が切磋琢磨し、また互いの得意分野で協力し合うことで、日本の高い技術力が支えられてきました。そんな日本の伝統を尊重し、地場産業の素晴らしさをもっとPRしたいという思いで、工具の聖地である三条地域で製造された工具を使用しています。
 燕三条地域には金属加工業が集中しており、工具の生産が盛んです。その品質は非常に高く、実に心地よく手に馴染み、思いのままに機能を果たしてくれます。長年にわたり、小さな改良を積み重ね続けてきたことが、すぐに分かります。職人の方の、製品に込める熱い思いが伝わってきます。
 どの企業の工具も、ぜひ使ってみて欲しい、手にした瞬間にその素晴らしさが分かる、と自信を持って薦められるものばかりです。そんな三条地域の工具を、少しでも多くの方に使って頂き、その品質の高さに満足頂ければ幸いです。

連携中の工具メーカー各社様の紹介

株式会社五十嵐プライヤー
 鮮やかな赤い握りが印象的な、プライヤーを製造する企業です。プライヤーを一筋に作り続けているだけあり、実際に手にすると、使う者のことをしっかりと考えて改良を積み重ねていることが感じ取れます。プライヤーは左右を別々に作っていき最後に組み合わせるため、精度を確保するのが非常に難しい製品ですが、その製品のガタの少なさから、加工技術の高さがうかがえます。
株式会社兼古製作所
ドライバー・六角レンチを製造する企業です。ANEXブランドとしてドライバーを製造し、ホームセンター等でも必ず目にすることが出来ます。プラス・マイナスだけでなくヘクスローブやポジドライブのドライバーも製造しているのが珍しい点です。ANEXブランドはグリップの持ちやすさとデザイン性にこだわっているのが特徴です。
株式会社古寺製作所
クロスレンチ(ホイルレンチ)やTレンチ、ターンバックルなどを製造する企業です。クロスレンチなのに1本の棒になるという、クロスレンチの常識を覆した「スパーダ」をはじめ、数々のアイデア工具を製造しています。
有限会社須佐製作所
ハンマーを製造する企業です。揃わないハンマーはない、といっても過言ではないほど、数多くの種類、サイズのハンマーを製造しています。サイトを見れば、一口にハンマーといってもこんなに多くの種類があるのか、と、その奥深さに興味を抱いて頂けるかと思います。
株式会社スリーピークス技研
ニッパやペンチなど、いわゆる「握りもの」を製造する企業です。熟練した職人が一丁一丁丁寧に焼入れ、刃付けを行っており、「ペンチは刃物である。」というコンセプトの示す通り、素晴らしい切れ味を誇ります。ニッパを開き、刃を紙のふちに当てて引くと、きれいに切込が入る程です。
トップ工業株式会社
総合的な工具メーカーで、中でも特にモンキレンチを得意としています。「つくるよろこび」という言葉をステートメントに掲げ、工具を通じてユーザーのものづくりを支え完成のよろこびのそばに在りたい、よい工具をつくりよろこびを得たい、そして「つくるよろこび」を社会全体で共有したいと、とても品質の高い工具を製造しています。
松井精密工業工業株式会社
ノギスなどの測定工具を製造する企業です。ケガキゲージ及びコラムゲージは、ケガキの時間を大幅に短縮でき、使用した人が口をそろえて「これがなくては仕事にならない」と言うくらい、非常に便利な道具です。機械加工、板金、木工など、幅広い職人の方々から圧倒的な支持を受けています。
株式会社マルト長谷川工作所
ペンチ、ニッパなどを製造する企業です。「KEIBA」というブランド名を聞けば、ご存知の方も多いのではないでしょうか。「MARUTOLOY」という特殊鋼を使用しており、高い耐久性を誇ります。機械加工の際に、従来の流れ作業ではなく、複数の作業を1人の職人が行う方式を取っており、品質の均一化を図っています。