野原大陽(たいよう)



研究テーマ:

屋根葺き植物資材オギススキの炭素固定量と収穫性ならびに施工条件の検討

 

研究概要:

1.研究の目的

日本の伝統建築としてし植物材料であるススキ・ヨシ を利用して建てられた茅葺き建築は、建築の維持管理を する後継者不足や良質な材料の不足に悩まされている。 茅葺き屋根の寿命は10 年から30 年とされており、定期 的な交換などが必須となっている。しかし葺き替えには 高額の費用などが掛かり手間もかかってくる。また、日本 の茅葺屋根は人手不足や職人の後継者不足などにより数 の減少が著しく見える。そこで、刈り取りの手間などを減 少させかつ環境問題に貢献していける茅建材が必要であ り、その候補としてオギススキが使用可能か検証する。 研究の第一段としては、オギススキの育成量や質量などを 計測し二酸化炭素固定量を調べる。社会貢献性をまちづくり の観点から評価する。第2 段としては降雨対策に関わる物性 試験を行い、実際に茅葺屋根の建材としての実用性を検証し、 その劣化度や吸水性に対する保全状況を評価する。

2.研究の方法

宮城県のオギススキの生育間環境について、土壌や周 りの植物生育環境に関する調査を行う。続いて、オギスス キの1 �u当たりの、本数、質量、根の質量、密度、二酸化 炭素固定量に関する調査を行う。また、既往建材であるヨ シと刈り取りついて比較を行い、収穫の所要時間や必要 人数など今後の実用化に向けた建材利用に至るまでの労 務負担を数値化する。

3.想定される結論とその研究が果たす社会的貢献度

本研究により、以下の知見が得られた。
.オギススキは環境貢献性が高く収穫高効率化が可能な 環境貢献度の高い建材であり今後の人手不足問題に対 し有効である。 .オギススキは吸水量がヨシと比較して少ないため、耐久 性に関して優位であり、建物に使用した際の長寿命化と いう面で期待できる。 .オギススキの根元部位は散水試験開始直後からの重量 変化が中間部分より大きく、早い段階で初期重量に近い 乾燥状態で平衡状態となる。 .水分逸散速度係数が高ければ高いほど乾燥時間が短く、 Vt を用いた式を利用すると降雨後の時間経過に伴う重 量変化を安易に求めることができる。

5.研究成果
1)野原大陽ほか、屋根葺き植物資材オギススキの炭素固 定量と収穫性ならびに施工条件の検討 日本建築学会 関東支部, 2023

2) 野原大陽、屋根葺き植物資材オギススキの炭素固 定量と収穫性ならびに施工条件の検討工学院大学卒業論文,CD-ROM, 2023.3