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研究概要: 海洋生物殻であるほたて貝殻は加工方法によって、主 に真菌類(カビ)に対する抗菌作用等の清浄効果が確保 でき、これをPCa コンクリート部材(以下、PCa 部材) に使用することで、汚れが付着しづらいという効果が実 証できれば、製品の付加価値につながる。既往の研究1)~4) では、ほたて貝殻を破砕したほたて貝殻砂を用いてコン クリートを製作し、基礎物性を確認した。本研究では、 前述の防汚効果とPCa 部材の汚れ改善対策を検討するた め、屋外曝露試験体における仕上げ角の影響による汚れ 特性を評価する。また、生物的汚れ5)〜 7)に影響する真菌 類や緑藻類の発生量を、生物の代謝エネルギー量を示す ATP(アデノシン三リン酸)量を測定することで確認し、 汚れの予防保全評価の可能性を検討する。また、カーテ ンウォールでの用途を目的としているため、模擬光沢骨 材試験体による拡散光の反射照度の評価によりテクスチ ャー評価を行い、さらに、仕上げ方法の異なるタカセ貝 殻砂コンクリートの試験体を用いて輝度を評価し、意匠 的価値があるのか検討する。 2.研究の方法 工学院大学八王子キャンパスの屋外曝露場にて、貝殻 砂置換率、シリカフューム(以下、Sp)の添加率が異なる 試験体を長期間曝露し、色彩を測定して、初期値と比較 することで貝殻砂コンクリートにどれほど汚れが付着し づらい効果があるのかを検証する。また、曝露試験体に おけるカビ類などの生物的汚れを、ATP 測定にて確認す る。ATP 測定では、汚れを目に見える形で数値化し、貝 殻砂を使用することで、抗菌作用等によりPCa 部材の汚 れが目立たなくなる、防汚効果が期待できるかを検証す る。さらに、コンクリートを調合する上でタカセ貝殻砂 の混入体積割合に対する放射照度・輝度の相関があるの かを模擬光沢骨材試験体により検証し、仕上げ方法の異 なるタカセ貝殻砂コンクリート板にて光沢度が屋外曝露 による紫外線、汚れ等の影響により変化するか基準とな る初期値を評価する。 3.想定される結論とその研究が果たす社会的貢献度 本研究により、以下の知見が得られた。 2) 色差とATP 測定の結果から、主に藻類・地衣類・コ ケ類の増殖が生物的汚れの原因と予測される。 3) ATP 測定により、生物的汚れは日当たりが大きく関 係していると考えられる。 4) 現状の結果では、ほたて貝殻砂を用いることで防汚 効果が見られるとはいえなかった。 5) 模擬光沢骨材の光沢面積が増加すると、放射照度・ 輝度ともに大きくなった。 6) タカセ貝殻砂コンクリート板の輝度(初期値)は、骨 材を含む面が含まない面に比べ、大きくなっていた。 5.研究成果 2) 河野ら, 炭素固定性を有する海洋生物殻廃棄物を用 いたPCa コンクリート部材の開発,その8 その9, 2024 年度日本建築学会関東支部研究報告集,2025.3 3)河野,
炭素固定性を有する海洋生物殻廃棄物を用 いたPCa コンクリート部材の開発工学院大学卒業論文,CD-ROM, 2023.3 |
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