放射線計測学特論 (Radiation Detection and Measurement)

放射線は工業利用,医療利用,食品利用,農業利用と広く私たちの生活の中に浸透しています。 一方で,その利用方法を間違えると被曝,放射線障害などの深刻な問題が生じます。 そのため,放射線利用においては,放射線,放射線源,物質と放射線の相互作用を十分に理解した上で,計測データの取得,その処理方法までの理解が必要となります。 この講義では,放射線を取り扱うための基礎的な考え方を体系的に学んでいくことを目的としています。

世の中で「放射線計測」というと医療関係(放射線技士関係)の内容を指すことが多いようです。 まあ,たしかに医療系の方がお金になりますし,世の中のstatusも高いのかもしれません。 そのような放射線技士の養成をイメージして受講を考えているとしたならば,確実に期待はずれとなります。 私の専門は「素粒子物理学の実験的研究」であり,通称「高エネルギー物理学」と呼ばれるものです。 「ひとの云々」に利用するなどという枯れた技術をどうのこうのするのではなく,最先端(さらにその先)を求める分野です。 したがって,ありきたりの技術には殆ど興味のない人間が講義をしますので,少々コアな話になる可能性があることをお断りしておきます。

シラバス

講義ノート