DIARY 2002年4月前半



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4月1日(月)

第2部の入学式は夕方の6時から。子連れの女子新入生・・・だろうか? 社会人学生が多くなれば、大学に学生用託児所が準備されるようになってもおかしくない。

パソコンのACアダプタが故障。おかげで普段使っているパソコンの中身が見られない。インターネットはできるが、31日の昼までに来たメールに対する返信が書けない状態にある。それ以降のメールは別のパソコンで受け取ってメールを書いている。


4月2日(火)

生涯賃金が理系と文系で大きく違うという報告。どうして2つの学部の比較しかしていないのか不思議。理系だって医学部だったら全然違うかもしれない。理学部と比較するなら経済学部では不公平で、文学部じゃないといけない気がする。だから二つの学部だけで「理系と文系」の違いを一般に論じることはできないだろう。そもそも解答率が低い。

賃金の平均がこんなに高いのは、たぶんたくさんもらっている人ほど答える気になるからだろうなと、自分を慰めてみる。

回答率は理系の方がずっと高い。この違いにもけっこう興味がある。

1年間ドイツに行って来た某氏は日本で狂牛病の牛が見つかったことを知らなかった。その後、当然この1年間にいろいろと日本であったこと、なかったことを吹き込まれることになる。


4月3日(水)

入学生行事のため1年生の集まる1階アトリウムを通り抜けて帰る。午後7時。電車は冷房が効いている。この季節にしては異様に暑い。

駅員に向かって暴言を吐いたあげく「おじいちゃまに言いつけちゃう」と言って立ち去った若者(に見えたがあるいは中年かも知れない)を目撃。新宿駅の駅員は大変なんだろうな。

およそ3日ぶりに、いつものパソコンが使えるようになった。保存してあるメールの返事をいくつか書く。このあいだ古いWin95のマシンを使っていたが、時計を合わせるのを忘れたままメールの返事を1通出してしまった。4年も前の日付のメールが、しかも今年になって初めて知った人から届いたらちょっと驚くかも知れない。あるいは過去のメールの山に埋もれて気づかれないだろうか。

ここに私が就職したばかりの頃ちょうど新入生だった学生が就職活動をしているのだから、それなりの年月がたったということだ。


4月4日(木)

近所のスーパーSで、店員が全員名札を付けていること、さらにその名札に「私の趣味」という欄があって、そこにそれぞれの「趣味」が書き込まれていることを発見。非常に変なものを見た気がしたのだが、どうしてそう思ったのか考えてみた。ちなみに、私が並んだレジの人は「海外旅行」、その向こうのレジの人は「ストリートダンス」、かごを片づけてくれた人は「読書(推理小説)」だった。夕刻なのでアルバイトの可能性が高い。特にストリートダンサーは非常に若そうだ。

趣味欄付き名札は、客がスタッフに親しみを覚え、接客にフレンドリーな雰囲気が出るようにと考え出されたものではないかと推測する。しかし、その一点に集中的に個人的な情報が晒されているのが異様なのではないだろうか。同じ制服を着て、同じ接客マナーで、決まった応対をする、むしろ「個」を押し殺した業務の中で、その一箇所にだけプライベートが透けて見える。そのギャップが大きいのではないだろうか。最近はどの国に行きましたかとか、どこで踊ってるんですかと尋ねるのは、全国チェーンのスーパーの店員と客という、冷めた商取引関係の溝を何の前触れもなく一挙に埋めてしまうようで、ちょっとできないだろう。いろいろと話ができる近所の商店街のお店の気軽さを導入しようとした意図はわからないではないが、ちょっとずれているように感じる。これが「血液型と星座」とかだったら、まだほとんど無意味(意味を見いだす人もいるらしいが)なだけましなのではないかとも思う。むしろその程度の店員個性の露出の仕方の方が、自然な感じがする。

もちろん実際に書いてあることは無難なものだと思われる。アダルトビデオ鑑賞とか、ギャンブル一般とか、猟奇写真集収集とか、ゴキブリ飼育とか、本当は無害かも知れないけど、一部の人に近づきたくないと思わせる可能性があるものは書けないだろう。また、「読書(推理小説)」と書いていた中年の女性は、読書だけじゃわかりにくいと注意されてカッコ内を付け加えたのだろうかとも想像した。他にも、たとえば「スポーツ観戦(ハンドボール)」とか「インターネット(2ちゃんねる)」になるのだろうか。海外旅行と書いている人も、本当のところは「ブランド品購入」かも知れない。いずれにしても、上司のチェックが入っていそうだ。

大学の人事関係で懲戒処分が下されたというニュース(こちらこちら)。よくわからないので何とも言えないが、学問のあいだの境界線なんてはっきりしているものではないので、担当科目の業績がないのにあると言い張ったというのは、見解の相違に過ぎないと言うこともありうる。もちろんない論文をあると言い張ったり、別の人の書いた論文をその人のものだと主張した(つまり業績評価書に明らかな嘘があった)のなら別だが、そこまで露骨なのでなければ、このケースは不正な推薦をしたとは言い難いということになるのではないだろうか。

処分になって趣味=研究(科学史)と書いたネームプレートを付けてアルバイトをする自分の姿が浮かんだ。どうやら思考の流れがよどんでいるようだ。


4月5日(金)

クローン人間:妊娠に成功の記事。報道内容も、記事の書き方もつっこみどころが多過ぎ!! どこの国で体外受精をしたのか。妊娠した女性のクローンなのかそうでないのか。どうしてアブダビなのか。発表を真に受けて「不妊治療」と位置づけて根津医師にインタビューするのは、どうなのか。「クローン人間を禁止する法律」という言い方も変だし、受精卵クローンの説明も・・。だいたい本当なのか。どうして発表したのか。

「私もほったらかしにしてしまったので反省しております」という編集者からの催促は、じわりと効いてくる。


4月6日(土)

8年前に書いた文章を探し出す。まず、1.25MBでフォーマットしたフロッピーを読むことのできるディスクドライブを出してくる。どこにあるかわからないので、4枚のフロッピーディスクの中を覗いた。当時まだDOS上で作業していたので、ファイル名はすべてアルファベット8文字以内で読みにくいうえ、内容が推測しにくい。

都庁展望台に初めて登った。なぜ展望台を2箇所に作らなければならないような構造(=ツインタワー)にしたのかが、どうしてもわからない。連絡も悪いし、エレベータもたくさん必要になる。


4月7日(日)

左手を火傷。スパゲッティーを茹でたお湯をかけてしまって痛む。その上、キーボードの「A」のキーが効かなくなった。これまで、「↓」と「→」が使えなくなっても何とかしのいできたが、キーボードの修理をすべきだろうか。かな入力を併用すれば日本語文は打てないことはないのだが、半角英字のAはどうしようもない。

デスクトップパソコンのキーボードなら買い換えたことがあるが、ノートパソコンの場合どこまでが部品なのかよくわからない。どうなるのだろう。


4月8日(月)

昨日の火傷は大したことなくて良かった。

学会誌入稿用の原稿を送ってもらったのに、フロッピーが読めない。普段はワープロで書いているとのことだが、ちゃんとMS-DOSのファイルにするように頼んだし、フロッピーはあらかじめDOS/Vフォーマットされた製品のようだ。どうしたんだろうと悩んでいたが、ふと気づいたのはワープロ「文豪」がNECの製品であったこと。ほとんど使っていないPC-98を立ち上げてフロッピーディスクを読んでみると、ちゃんとテキストファイルが入っていた。

例年そういうことはないのだが、1年生用の科目の履修登録は少し混乱が見られた。今年の1年生が予定外に多かったせいだろう。合格最低点を読み間違えたということだが、これを正確に読むのは至難の業で、まだこの程度なら誤差の範囲内とも言えるくらいだ。そんなつもりはなかったのに、学科単位で見ればうっかり定員の倍近くを入学させることになる大学だってあるはずだ。


4月9日(火)

大学で単位を落とす学生は、これから増えるだろう。その理由の第一は、大学が入りやすくなっているからだ。誰でも入れて誰でも卒業できる大学に意味はない。高校までの課程で学習量が減り、大学で勉強することが増えていることも理由の一つだ。

そうなったとき非常勤講師が自分の担当教科の補習塾を大学のそばに開講して、そこで授業料をとって教えても、大学は文句を言えない。現在そうなっていないのは、単位を取ることがそれほど難しくないからに過ぎない。ひょっとすると、大学の負担増なしに非常勤講師の能力を活用できる名案かも。


4月10日(水)

712教室にはおよそ100人の学生が、ほぼ均一に席に着いていた。例年より少し多い。2部の授業は人数が少ないのが良いところなのに、年々増えているような気がする。

スーパーサイエンスハイスクールが決定というニュース。公立重視(私立軽視)に見える。また、高校野球みたいというか、予算配分の論理というか、地域性にも配慮して全国にまんべんなく配置しているという感じがする。

今年度になって初めて会った印刷会社の人に新しい名刺をもらう。「主任」と書かれていた。年度がかわると役職が変わるんだなと考えたが、よく考えると自分もそうであった。ちなみに名刺はまだたくさん余っている。


4月11日(木)

再びメビウスサポートラボへ。もう、ここに何回通っただろう。普段使っているパソコンが手元にないのはちょっとつらいが、キーの一部が効かなくて不自由な入力しかできないのがずっと続くよりはましだろう。市ヶ谷から代々木・新宿までがJRで150円というのも覚えた。

経済学とは現代の処世術なのか? 金融自己責任の世の中になると、さらにそうなるのだろうか。経済学者が大臣やテレビのコメンテイタになったりするあたりも処世術的だ。経済学者にお金儲けができないのは、宗教学者が教祖になれるわけではないのと同じだと言った人もいたのだが。

模索に行ったことのある学生を初めて見た。新宿の学校で教え始めて4年目。


4月12日(金)

昨日修理を頼んだパソコンを取りに行く。結局キーボードを取り替えただけ。取り外した古いキーボードをどうするか聞かれたので、せっかくだから持ち帰る。ひ弱な電子部品にネコの毛がこんなにからみついたらどこかおかしくなっても不思議ではない、と納得。今度はちゃんとキーボードカバーを付けようと決意した。

書評の依頼を受けた本を読んでいる。3名の名前は出ているし、責任分担も一通り明らかになっているが、それでもどこを誰が書いているのかわからない不思議な本だ。

エレベータがなかなか来なくて、混んでいるような気がする。そういえば新宿の各授業の受講者数も例年より多いような気が。どうやら今年は人口密度が高いようだ。年度始めだからでもあるのだろうが。


4月13日(土)

高知医科大学教授が複製本販売のニュース。本のタイトルが『期待される医師のマナー』であるあたりは、悪い冗談のよう。この「反面教師」を目の当たりにした学生たちは、マナーを守ることの大切さをしっかり学んだに違いない。

そう言えば、専用レポート用紙を綴じ込んだ科学史の教科書を見たことがある。新刊本を買わないと単位が取れないという仕組みになっていたようだ。実際そのように使われたかどうかはわからないが。

1週間の授業が終わった。


4月14日(日)

授業の準備その他たまっている原稿に少しずつ手を付ける。終わらない。今日までに終える予定のものもあるのに。

先週パスタで失敗したが今週は気を付けてビーフンを茹でたお湯を捨てる。どうもあの「中華・エスニック食材店」は、専門分野以外よくわかっていない可能性がある。トムヤム・クンの素が、ずっとカレーの棚に置いてある。店員同士で話している言葉を聞く限り、中華食材の方なら信用できるかも知れない。

Yahoo!オークションのシェアが下降中。といっても、独占的であることに変わりはない。


4月15日(月)

月曜朝の下り中央線は、途中で降りる人をよく見極めれば座れることがある。たまたま握ったつり革の前の席には初々しい新入生女子大生らしき二人連れ。ピアスをした女の子の花屋さんでのアルバイト話を素知らぬふりで聞きながら、どこの学校か(=どこで降りるか)のヒントがつかめないかと思っていたところ、授業の話を始めて取り出した時間割表には見覚えがあった。工学院の学生とは想定外。さっそく遠ざかったのは言うまでもない。

お隣の国(だよね?)でクローン研究のニュース。情報ギャップがある国ゆえ、具体的内容はわからず真偽のほども疑わしいが、死んだはずの建国者の細胞が冷凍保存してあるのではないかと想像するのは、私だけではあるまい。ウサギを使っているあたりが面白い。他の実験動物や家畜はいないのだろうか。どこの会社のマイクロマニピュレータを使っているのかなどの興味も尽きない。

テレビ東京のこの番組に工学院大学が取り上げられるそうだ。「新宿副都心」の回。21位から30位だと思うので、ちょっと遅れをとると見逃す可能性大だ。



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