天理大学では、ホームページで学生の成績を実名で講評した先生が問題になっているというニュース。私はやったことがないが、たぶんやっている人はけっこういると思う。成績優秀者の名前ならどうか、学籍番号ならどうかとか、など考え始めると境界線は難しい。でも、情報公開の必要性とか、学生にどうしてこの成績なのか説明する責任があるとも言われていることも確かだ。履修者が大人数になる場合、本当はそんなことは不可能だが、そういうことをまじめにやろうとして到達した手段がこれであったとしたら、ちょっと同情する。
学生にも了解をとったというが、もし誰も拒否しなかったのだとしたらそれは逆に怖い。拒否権を行使することが認められるような雰囲気があったかどうか問題だ。
校正やメール、その他3種類くらい文章を書いていて、頭は混乱しないが、ファイルが混乱しそうだ。
「!広告!」と書かれたメールが届いたぞ。大学のメールサーバもウィルス除去を始める(始めた?)ということだが、広告メールのカットはできないのだろうか。ちなみに「転職情報サービス」というものだった。
千島学説の本を古書店でゲット。今でも熱心な信奉者はいるらしい(こちら)。ソ連(マルクス主義)との関係とか、日本でも一時期多くの人が飛びついた歴史とか、医療においては科学的合理性が薄弱でも経験(治療)の側からの正当化が意味を持ってしまうこととか、千島氏が定年までちゃんと「生物学」を講義できた日本の大学の仕組みとか、患者の側からは引きつけられる何かがある点とか、今でも信奉者がいる裾野の広さとか、科学史的には非常に興味深い対象だ。しかし、今のところ手を出す余裕はない。
数万単位の代金請求を忘れてしまっている(?)宅急便の会社にとうとうこちらから連絡。出ていくべきそれなりのお金が出ていかないのも気持ち悪いものだ。個人のものではないのだが。
今一つ出席の資格や理由がはっきりしない会議に出席。何をどう発言すべきか迷って、これも多少心地悪い。仕事の分担はしっかり回ってきた。
日本産科婦人科学会の指針「ヒト精子・卵子・受精卵を取り扱う研究に関する見解」が改訂されているのを発見。受精卵等を研究に使うときに許される目的は、これまで不妊治療の研究に限られていたのに、これからはヒト胚性幹細胞(ES細胞)を作ることもOKにしようというものだ。日本産科婦人科学会が再生医療に言及するところに違和感を感じる。現実的にどのような意味をもつのかよくわからない。産婦人科学研究者が再生医療の研究をするようになるということか? 学会がES細胞樹立を禁じているように受け取られるのはまずいということか?
一昨日紹介したサイトは国別ドメイン名がacだった。調べてみると「アセンション島」という、アフリカの西で赤道よりちょっと南にあり、女王を頂く欧州の島国の領土だった。acというドメインが欲しい人のためにアドレスを提供しているらしい。日本語による説明もある。「専門家」(英語ではprofessionalとなっている)らしいアドレスを持てますというのが売りのようだが、専門家を騙りたい人が喜んで持ちたがるというのが誰でも想像できる現実なのではないだろうか。なお、支払いは「ポンド」で、カード利用ができる。日本語の他、英語とハングルでも募集をしている。
東大で行われたセクハラに関するアンケートの結果が出たというニュース。被害が多いことをちゃんと発表したこと、というか公表を前提にアンケートを実施したところが偉いと思う。大きな大学だからできたとも言える。
卒業式と祝賀会。特に変わりなし。もう3回目なので、何も心の躍ることはない。こういった場面における緊張感と新鮮さにおいては、学生とかけ離れている。この心理状態が教員のそれなのだと悟る。来年度は新入生がたくさんいますと、恐らく一番リラックスしている理事長が祝辞で大発表。
卒業生総代は各学科から出るが、第1部の10人中4人が女子。この10人で撮った写真を大学のパンフレットに載せるとなかなか良い雰囲気になるのでは、などと余計なことを考える。こういうことを考えるようになったのが、3年間の「成果」だ。
ちょっと古いかも知れないが変わった動物占いを発見。「プラナリア」か。
ちょっと驚いたニュースがこれ。そうか、そういう見方があったのかというか、どうして思いつかなかったんだろうというか・・・。世界各地を回る展覧会だということだが、それぞれの組織の関係者は大変なんだろうなと思う。日本でも、たとえば高校の理科の時間に組み換えDNAの実験をできるようにしようという動きがあって(たとえばここを参照)、認知を進めようとする普及運動は行われている。しかし、DNAでゲイジュツするという過激なアプローチを受け入れようとする公的機関は、日本にないかも知れない。でも、組換えDNA技術が安全に適応されるなら、それを用いて行いうることは「研究」や「生産」じゃなくても良いじゃないか、というのは筋が通っているようにも見える。
NHKロシア語会話が見いだした「男性アシスタント」方式は1年で終わった。
NATUREに掲載されたこの文章を読むと、実際に手を動かしていた実験者の業績が、その研究室の偉い人のものになることが不公正だという批判が行われているようだ。しかしその発見は、上司の用意してくれた装置から先人の発見した知識に至るまで様々なものに依存しており、(心理的にはともかく社会的には)決してその発見者「個人」に帰属するものではないということもまた忘れるべきではないだろう。理論なら思いついた人が発見者になるのだろうが、集団で分担して実験研究を行っていれば、その中のいったい誰がある成果の貢献者なのか決めるのは困難というより、意味があるのどうかすら問題になる。ただし、実際に実験を行っている若手の貢献度が高いということにした方が、将来を担う人々の研究へのインセンティブを増加させることにつながり、結果的に研究の推進になるという理屈はあるかも知れない。
桜の開花が東京では異常に早いらしい。このままでは、恒例の席取り業務命令を受けた多くのフレッシュマン達が、完全に花びらの散った桜の木の下で仕事の不条理を噛み締め、退社への決意を早めることになりそうだ。
心のなごむサイト発見。ただしネコ好きだけ。こちら。夜は真っ暗かもしれません。どこかに遊びに行っていて見えないかも知れません。
身近にあってもおかしくないような話がこちら。大学のシステムが年々ころころ変わり複雑になっていくにつれて、教員も学生も事務員も混乱し、予想もできない様々な問題が起こりかねなくなっている。また、近頃の人員不足で、そういった問題への対処が遅れがちになる。さらに、ネットワークの発達によって、問題がリアルタイムでネット上に公開される。先生の言うことを聞かない(権威に服従しない=良い意味だと思いたい)近頃の学生は、一筋縄では納得させられない。大学も説明責任や情報公開を求められている。そういった様々な最近の大学の問題がまとめて入っているような良いサンプルだ。
18日に書いた代金未請求は、計算機のデータが飛んでしまったせいで請求ができなくなってしまったものと判明した。何部送りましたかと聞かれてどうしようかちょっとだけ迷ったが、本当の数を答えた。
困難な就職戦線を勝ち抜いてめでたく就職した学生が、長時間通勤と残業のせいで3年後複数の持病を抱え食後の薬を手放せない身体になっているのを見ると、今現在就職活動中の学生にどのように声をかけて良いものか難しいなと思う。
大学のサーバへの外部からのログインIDの切り替えの時期。ひょっとすると一時期外部から入れなくなって、日記がしばらく中断するかも知れませんが悪しからず。
この2、3日久しぶりにドイツ語を読んでいる。
止まったままの仕事がいくつもある。
防衛大学校の任官拒否。今年は16人とのこと。10年ほど前、たしか100人近かったというのが嘘のよう。海外派遣はあまり関係なさそうだ。むしろ不況の影響が大きいのか。
学内シンポジウム(自然科学教育がテーマ)他。久しぶりに「ロピタルの定理」という言葉を聞き、久しぶりに抵抗とコンデンサの入った電気回路図を見た。「電場・磁場」という表現と「電界・磁界」という表現に文化の差がある? しかし、とても疲れた。マジメに話を聞きすぎたからかも知れない。
工学部に勤め始めてよくわかったことの一つは、理学と工学の距離が思いの他大きいことだ。人は「物理学」や「機械工学」を理系、「哲学」や「経済学」を文系と呼ぶが、ひょっとすると「物理学」と「哲学」、「機械工学」と「経済学」の方がそれぞれ近いのではないかと思えることもある。
2GbyteのハードディスクもほぼいっぱいになってきたWin95のノートパソコンは、内蔵モデムが使えなくなってしまったこの機会に買い換えた方が良いと思う。「ドライバのインストールも途中でフリーズしてしまうようなら、データを全部保存してWin95を再インストールするように」とアドバイスするカスタマーサポートはとても律儀だと思うが、「新しいのを買ったらどうでしょう」とは言えないことになっているのだろうか。
ヨドバシカメラで領収書を作ってもらったら、「LUNカード代として」と書かれていた。
昨日の疲れか、朝起きることができず。夜になってやっと調子がよくなる。
半年前に中断した仕事に手を付けることになったが、まず半年前にどこまでやったかを調査するのが第一の仕事となった。
「ビール:1日1本で大腸がん抑止 キリンビールなど研究」という大げさなニュース。今回発表された実験の結果は、ビールの中に何か癌予防に効果のある成分があるとしてもそれはアルコールではないらしいことを示唆しているのに対して、その後に出てくる厚生省の疫学的調査はむしろアルコールそのものに効果があることを示している。これを並べて書いた記者はこのおかしさに気づかないのだろうか。もちろん、ビール会社の研究だということで、割り引いて聞くべきであるのは言うまでもない。
近所のビルの1階に少し前からあって「中華エスニック食材」店を名乗る、棚と商品を並べただけの「店舗」で何種類かの食材を試しに買う。池袋や新宿、大久保に行けばあちこちで売っているのだろうが、この近くではこういう店は見かけない。タイカレーのペーストを買うと、香草のパックもあるよと日本語の怪しい店長は奥の冷凍庫からビニール袋に入ったバイマックルーとレモングラスを出してくる。他にビーフンが何種類もあったのが気になった。ココナッツミルクは液体部分と固体部分の分離が激しい。こういう缶詰の賞味期限は缶そのものに刻印されておらずシールで貼り付けてあるだけなので、ちょっと危うい感じがする。
月初めに提出する予定だった「校正」が出せていない。あと少しになってから時間がかかってしまう。確かに、その間にいろいろ他のことをしているのだが。そうこうしているうちに授業が始まってしまう。
駅前の富士銀行がみずほ銀行に変身しつつあるのだが、第一勧銀の通帳を入れたら記帳できなかった。どうもうシステムの統合が遅れているらしい。4月になったらできるのだろうか? 店舗統廃合で不便になるなんてことは・・・。ちなみに、mizuho.co.jpはみずほ銀行じゃなかった。
コンビニのATMを利用。暗証番号を打ち込むキーがむき出しになっているのに驚く。さらにそれを店内の監視カメラが捉えているのだから、打ち込む番号が記録されているようなものだ。無理矢理機械を持ち込んだ狭い店内で死角を作ろうとしても限界があるのだろうか。それとも犯罪対策?
地中の金属を取り込む小麦で「環境浄化」に希望がもてるかも、というニュース。他方、日本ではイネが地中のカドミウムを吸収して高濃度で蓄えるため、食用に供与できるかどうか危うくなっているという話だ。原理としては同じことだろうに、一方は希望ある未来に、他方は暗い将来につながっている。
講義ノートを販売することに対して教員が著作権の侵害等の理由で抗議したということがあったらしい(こちら)。ネット上で調べたところ、組織的に講義ノートを販売するということは、同じように関西の別の大規模大学でも行われているようだ。あるいはひょっとすると、教員が知らないだけでどこの大学でもやっていることかも知れない。まだ大学の教壇に立ち始めたばかりの頃、毎回欠かさず授業に出て前の方の席で熱心にノートを取っている字の綺麗な学生に頼みこんでノートを見せてもらったことがある(嫌がらずに見せてくれてありがとう)が、自分で作ってくるレジュメ式の講義ノートよりずっと詳しく、見やすく書かれていたので驚いたのが記憶に残っている。他人のノートを使ってでも勉強して、単位が取れる程度の力がつくのなら、そうやって勉強するに越したことはないと思うのだが、どうだろうか。
昨日のみずほ銀行で思い出した。新宿西口の富士銀行の向かいには第一勧銀があって、その第一勧銀の広場をはさんだ向かいにもう一つ第一勧銀があり、また富士銀行の隣の区画のビルの中にももう一つ富士銀行の支店がある。東口にはもう一つ富士銀行がある。どこが消えて何ができるか。この4月からの新宿の街の楽しみの一つだ!?
科学史学会の研究発表会の予稿を書いて投函。今年は北陸に雑誌宣伝をかねた旅に出る予定。この学会の予稿は、何と発表の2ヶ月前に提出が義務づけられている。予稿が発表内容を予め忠実にまとめた原稿であるとするならば、2ヶ月前には研究を完了させておかなければならないことになるが、普通なかなかそうはいかない。結局、大枠だけまとめて細かい議論は書かず、当日新しい情報や見解を加える余地を残した原稿ができあがる。
同僚の実験物理学者W氏は、学会に予稿集はあるけど書かないと言っていた。発表当日分析が終わったばかりの最新データを公開することに意味があるからだそうだ。ちなみに、まるでさっきまで実験をしていたような、できるだけ作業着に近い汚い服装で演題に登ることも重要だとも聞いたが、これは個人的なファッションセンスの問題かも知れない。
郵便局から大学に戻ると、とっくに卒業したはずなのによく学校に来るので有名な元学生O氏と出くわし、しばらく話をする。また、共通課程パンフレット作成中のK氏にも発見されて写真撮影。3年前に撮ったのとそんなに変わっていないと思うのだが、そう思っているのは自分だけ?
近年人気急上昇中で関西で最も志願者数の多い私立大学に4月から就職する某氏がすでに研修中との話。まだ正式には辞令が出ていないはずだが。それに対して、工学院大学の新任者研修は一切なし。学長から手渡しで辞令をもらうだけ。最初の仕事は入学式への出席だった。高校生用のPRビデオくらい見ても良いだろう。システマチックにではなく、個々の人間関係を通じて大学の雰囲気を刷り込まれるということかも知れない。
ほんの短い時間のミスも、こうやってさらされてしまうところがインターネットの怖いところだ。(もう消えましたね。<翌日>)
とりあえず、みずほ銀行には「新宿西口」「新宿西口駅前」「西新宿」の各支店ができることがわかった。問題は第一勧銀のカードが元の富士銀行で使えるかどうかだ。
明日は入学式。早く寝よう。