朝の5時半に出て、成田空港へ。3 時間で台北。同じ 大学の教職員多数による旅行。
台北について、最初に私たち旅行客の目に入ってくる漢字は、「歓迎」でも「感謝」でもなく「死刑」だった。 どうやら、麻薬持ち込み計画を最後の最後で諦めさせるための看板らしい。
冷房効きすぎ。ホテルから外に出ると眼鏡が曇る。
東京に電話をするには、暗証番号を買うプリペイド方式がけっこう安いようだ。結局300元(約1110円)で60分話せた。
交差点より多い数のファミリーマートがある。日本では使わなくなってしまった(ひょっとするとまだどこかにあるかも知れないが)太陽と星のマークをまだつかっている。 これほどコンビニが多いとは思わなかった。だいたい入口そばに殻ごと煮ている卵の鍋があって、八角の臭いが特徴。セブン・イレブンには「関東煮」も置いてあった。名前と袋のデザインに惹かれて「科学麺」を購入。
暑くならないうちに南海学園へ。植物園は工事中だが、けっこう広いので見るのに時間がかかる。(日本の)植物学者にゆかりのある植物のコーナーが興味深かった。
八徳路電脳街へ。「原版専売」(本当は旧字)と書いてある店で売られているCDの曲目が、"ファイナルファンダジーメ テーマ 「素敵だぬ」 " となっていたりするのを見るのは楽しい。ちなみに正しくは"ファイナルファンタジーX テーマ 「素敵だね」" だそうだ。
日本語の助詞「の」が流行っているらしい。明らかに日本語ではない漢字ばかりの単語のあいまに「の」が入っている。日本で言えば「パンチ de デート」のdeのようなものではないかと思う。日本語の「の」は、たしか中国語では「的」にあたるのだと思うが、そう考えると日本ではちょうど逆のことが流行っている。「俺の意見は」の代わりに「俺的には」と言ったりするのだから。
台北の中心となる駅前をかなり詳しく見て回る。マクドナルド、スターバックスなどの進出がすごい。日本とアメリカに染まっている。一度道を尋ねられる(たぶん)。
受験および資格産業が盛んなようだ。電脳(コンピュータ)、美語(アメリカ語)、台大(国立台湾大学)がキーワードと見た。「受験ストリート」近辺でインターネットの出来そうなところを探した。一軒目は、パソコン使用中の若者が皆マウスしか使っていないように見えて、ちょっと違う気がしてあきらめた。二軒目は、日本語のできる店長がいたので安心して入る。
だいたい台北の店では「日本語」「English」と叫んで、どちらかできないか尋ねてみたが、どちらもできないことが多かった。上記の店は、受付で互いに不自由な英語をしばらく話した後、Japanese?ときかれてそうだと言うと、日本語堪能な店長が奥から出てきた。
吉野屋のローカルメニューが気になって入った。豚角煮あんかけ丼といったところだ。驚いたのは、支払いがファーストフード形式だったことと、セットの場合コーラか味噌汁が選択できたことだ。味噌汁は「ドリンク」の一種として扱かわれていることがわかった。
地下鉄の1日券は失敗かも。紙なので自動改札を通れず、入場退場に回り道を余儀なくされた。
宿泊先の近くを散歩していると、またマンガ喫茶を一軒発見。アルバイト募集らしき広告があり、女性は身長160cm以上、体重50kg以下と書いてある。特殊な制服があるのだろうか。謎を解決するために入るということはしなかった。
日本に帰る。
入手した書籍類は、角川書店の「台北ウォーカー」(「walker」でも「歩人」でもなくカタカナであることに注目)、社会生物学の本 (タイトルは「狡候与馴蜂」、ただし2番目の字には獣へん、3番目の字は旧字)、なぜかジャンプコミックスのマークがついた(しかも裏返し)藤子不二雄ランド(あきらかにやばいぞ)、竹本泉の「パイナップルみたい」(講談社のお墨付きと書いてあるが、本当かどうか?)。 買わなかったけど、科学論関係者なら誰でもそれとわかる「高級迷信」という翻訳書が売られていた。
1.植物名人園と題されたコーナーの説明書き。西洋人の植物学者らしき人物の写真が数枚あるが、写っているのが誰なのか私にはわからない。
2.そのコーナーにある島田彌市の碑。島田は、台湾総督府に勤務しており、柑橘類の研究をしたことで知られる。他にも日本人の名前がいくつかある。現存の人物のもあったぞ。
3.植物園の池。この公園の開園時間は、朝4時からとなっているのだから驚きだ。太極拳をする人がいる。
4.台北の「秋葉原」=電気街の近くにある国立台北科技大学。彼らが電脳技術の未来を担う。
5.いかにも台北らしい街並み。
6.台北の中心部に今も残る日本風の一軒家。荒れはててボロボロになっているものが多い。ただし、台湾に詳しい建築史家によれば、必ずしも敗戦前のものとは限らないらしい。
7.蒋介石の像。大きい。これを見たら次は金日成のを見たくなる。写真を撮ったのは、像よりも後ろの「科学、民主、倫理」の文字が気に入ったから。
8.中正堂公園の猫。蒋介石の家来で大陸から一緒に渡ってきたが、現在は引退して公園で昼寝をしている。