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工学院大学 先進工学部 生命化学科



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研究内容


研究テーマ

  • DNA修復経路を標的とした医薬化学研究
 生命の設計図であるDNAは、複製の誤りや化学物質などの攻撃により損傷しますが、この損傷を修復するため、細胞はDNA修復経路を有しています。DNA修復にはいくつかの経路が存在しますが、がん細胞の中には1つの修復経路のみに依存するような変異が存在する場合があります。したがって、このようながん種に対する特定のDNA修復経路を阻害する化合物は、正常細胞に対する影響が小さい抗がん活性(合成致死)が期待されます。
 DNAが損傷すると、DNA修復関連タンパク質上でpoly(ADP-ribose)化(PAR化)が誘導され、これを目印として塩基除去修復タンパク等がリクルートされ、DNA修復が促進されます。PAR化は翻訳後修飾の一種であり、poly(ADP-ribose) polymerse-1 (PARP-1)によりnicotinamide adenine dinucleotide (NAD+)を基質としてタンパク質にADP−リボース残基を付加する反応です。PAR鎖長は数百残基に及び、動的にタンパク質機能を制御します。一方でPARP-1自身もPAR化により制御され不活性化しますが、PAR化されたPARP-1は、poly(ADP-ribose) glycohydrolase (PARG)がPAR鎖を分解して再活性化されます。
 近年、PARP-1阻害剤olaparibが難治性すい臓がんや卵巣がんを適応として承認されたことからも明らかなように、PARP-1経路の阻害は抗がん剤のコンセプトとして成立していることから、PARG阻害もしくはPAR集積する化合物も抗がん剤となりうることが期待されます。実際にPARGのノックアウトは、PAR集積を伴う細胞死を惹起することが明らかになっています。
 本研究室では長崎大学医学部などとの共同研究により、PAR集積活性を有する化合物をcell-basedアッセイにより探索した結果、MO2455を見出すことに成功しました。現在、開発候補化合物の創製を目指した医薬化学研究を展開しています。

            










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